#その79 よし、じゃあタスケテにファーストコンタクトしてみるか
#その79
そしてそろそろと宇宙船ルミナに向かって移動を開始する。タスケテはおとなしくしているようだ。
「ノバより船長へ、ドローンをルミナに収納して~」
「船長よりノバへ、後部収納ハッチを開けるからそこから船内に入ってくれ。固定フックは3番を使っていいぞ」
「わかった!じゃあまた後でね」
ノバはドローンを操縦すると、ルミナの後部にあるハッチから船内へ帰還する。
ノバは格納庫内にある作業用クレーンを使うと、タスケテが搭乗している小型探査機ごとハンガーにがっちりロックする。
ノバはタスケテを格納庫に探査機ごと残し、ハルトとルミナがいる操船室へようやく戻る。
「おおっ、ノバ、お帰り!」
「ノバ、お疲れさま。任務うまく果たせたね」
ノバはルミナとハルトの二人から慰労されて照れくさそうだ。
「ルミ姉、ハルト船長、タスケテはおとなしくしてるよ」
ノバは小型探査機を格納庫に収納したことをハルトに報告する。
「よし、じゃあタスケテにファーストコンタクトしてみるか」
「はい、やってみましょう!」
ルミナとノバが答える。
「船長よりルミナへ、タスケテとの接触を試みる」
「ルミナ了解、いつでもどうぞ!」
「よし!じゃあ行くぞ!」
ハルトは操船室を出ると廊下に装備されているハンドエレベータにつかまり、宇宙船ルミナの格納庫に到着する。
まず内部の気圧を確認して気密ドアを開ける。ガラス越しにタスケテが搭乗していると思われる探査機がある。庫内のハンガーにアームで捕まれて、がっちり固定されている。これなら悪さはできそうにない。
「ルミナ、探査機内のタスケテに通信回線を接続できるか?」
「ハルト船長、庫内にあるアクセスボックス内にあるケーブルを伸ばして、探査機に接続できますか?探査機の外殻にぺたっと張ればOKです」
ハルトは言われたとおりにケーブルを伸ばしてがしょんと貼り付ける。地球ならUSB-AだCだと騒ぐ場面であろうか。