#その71 神様が我々を集めて何かをさせたがっているってことかなあ
#その71
「ねえ、ハルト船長・・・あの{タスケテ~}ってメッセージはどんな意味があるのかしら・・・」
「ああ、あれね。きっと文字通り{タスケテ~}欲しいんじゃないかなあ」
「そうだよ、ルミ姉もそうだし、ノバもそうだったじゃん。暗い宇宙に一人ほっとかれて、ずっとタスケテって叫んでいたけど、誰にも届かないときが1000年以上続いたんだからね」
ノバが自分の本音を言う。
「そうね、私もハルト船長が気が付いてくれなかったら、あのまま惑星から脱出することもかなわず、埋もれたままになっていたと思います」
「RAIとの遭遇が二度続いたんだから、これはもう偶然じゃなくて必然だよね。ハルト船長は自分らのようなRAIを感応発見する能力があるってことだよねえ」
「まっ、そうかもしれんな。とにかくタスケテの正体をつかむことが今は大事だな」
「そうだね、タスケテ~の正体がわかってから助けるかどうかを決めてもいいかも」
ノバは言う。
「ルミナとノバを見つけたとき、二人はとにかく脱出のことだけを考えていたから気にならなかったようだが、俺は少し気になることがあったんだ」
「どういうこと?」
「あのメッセージって1000年も前から流れていたんだよね。俺が気づいたのは最近だけど・・・」
「うん、そうだよ。」
「そもそもなんであんなに長い間、救援信号を出し続けられたんだろうね?よくエネルギーも気力も続いたと思うんだ。もちろんRAIなら可能なことかもしれんけど、どうなのよ」
「うーん、言われてみれば、私も不思議です。」
ルミナは何か考えていたらしいが、まとまらなかったようだ。
「そうだね、ルミ姉、自分もそう思うよ」
ノバはあっさりとハルトの考えを認める。
「私が思うにタスケテをを発信している存在も、私たちと同じように1000年間ずっと救援信号を出し続けていたんじゃないかなあ?」
「うん、私もそう思います。やっぱり1000年間続けているのかしらね」
ルミナは疑問に思ったようだ。
「それともハルト船長がこの世界に現れてから、船長を探すために信号を出し始めたのかもね」
ノバがするどい意見を言う。
「じゃあ、神様が我々を集めて何かをさせたがっているってことかなあ」
ハルトは思いついたように言う。