#701 へえ、この世界の宇宙イメージってこういうことだったのか
#701
ノバはそんなソフィアに向かって何度も頭を下げる。女神ソフィアの見送りを終えたノバ達は、スペースレール指令室に集まる。
「皆さん、ご覧になった通り、ノバ少佐は女神ソフィア様より、ワープトンネルについての重要な宙図を受け取りました」
ミーナミがこれまでの一部始終を確認するように改めて報告する。
「ノバです、おかげで私は航法ユニットとして、WTJ001をコントロールして、ワープトンネルを掘削することができると思います」
ノバがそう宣言すると、集まったハルトやルミナ、アリス達から歓声が上がる。
「ノバ少佐、本当におめでとう」
ハルトは祝福の言葉をノバに送る。
「皆さんのお陰です、本当にありがとうございます」
ノバもハルト達に感謝の言葉を伝える。
「さて、それでは早速ですが、ワープトンネル掘削作業について打ち合わせを始めましょう」
アリスはそういうと、メインモニタに計画を映し出す。
「アリス中佐、もう計画を進めていたのですね、すごいです」
ミーナミがアリスを称賛する。
「ありがとん、そう言ってもね、最後のピースが埋まらなくて困っていた部分をソフィア様が埋めてくれたからね、ありがたいことだよ」
アリスはそういうと、計画書のページを進める。
そこには、これまでの宙図にはぼんやりとしか描かれていなかったワープトンネルの掘削予定位置と、掘削部分について詳細に説明されているのだ。
「えへん、ノバ少佐が女神ソフィア様に頂戴した異世界境界部分はこのようになっていると判明しました」
アリスの図面には箱に入った大きな風船状の袋がそれぞれ膨らみ、ぴたっと接している図面が描かれている。そして、そこに掘削予定場所が明示されているのだ。
「へえ、この世界の宇宙イメージってこういうことだったのか」
一番感嘆したのがハルトである。
ハルトは宇宙は閉じているが無限に膨らんでいるとの概念を持っている。では、別の宇宙世界とどのように関係しているのかはわからなかったのだ。だが、アリスのイメージ図によりそれらの疑問が全て解消されたのだ。
「アリス中佐のイマージ図の通り、今いる惑星エリシアを中心とした世界と惑星ルクレアの世界は似て非なる世界、つまり異世界であることが確定したんですよ」




