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#693 インターワープトンネルを新たに掘ることができるのではないか

#693


「てことはだな、新しいワープルートをノバ少佐が掘る、ということだよね?」

「そうです、既存のインターワープも絶対的に宇宙空間に存在しているわけではないです」


「そうなんだ」

「インターワープだって1000年単位で考えれば、けっこう移動しているんですよ」

「それは自分にはわからないことなので・・」


「これまでのスペースレスキュー隊の活動で、宇宙空間の歪は神器空間歪イレーザで消すことができましたよね」

「ああ、そうだったな、女神ソフィア様の神器は偉大だな」


「それでわかったんです、インターワープトンネルを新たに掘ることができるのではないか・・と」


 今ノバは空恐ろしい提案をしている。人には利用することが神の気まぐれで許されているだけのインターワープである。


 ノバは新たにスペースレールの車両が通過することができるインターワープトンネルを新たに貫通させようと言っているのだ。


「ノバ少佐、インターワープは別名神のきまぐれと呼ばれているくらいつかみどろころのない場所だよ」


「ええ、この宇宙でインターワープのことを一番わかっているのは自分だと自負していますよ」

「で、そのワープトンネルを掘るにはどれくらいの時間がかかる?」


「そうですね、1週間でできると、思います」

 ノバはこともなげに答える。


「い、一週間か・・・」

 宇宙図を見る限りではインターワープ3は通常航行の1000光年以上あると思われる。それをたったの1週間とは・・・


「はい、ただし、これは神器空間歪イレーザの原理を使うことができれば、の話です」


「それと、このアリスがワープトンネル掘削機を開発できれば、だよね?」

 いつの間に現れたのか、アリスが自信たっぷりに意見する。


「ああ、アリス、ワープトンネル掘削機のめどはたっているのか?」

「ええ、以前にノバ少佐に相談されて、ずっと考えていましたよ」


「ほう、それはどんなことだ?」

「空間歪を消すことができるのならば、新たに開けることも可能じゃないかなあってことです」


 アリスは自信ありげに言うが、ミーナミにはこの提案はあまりにも無謀で夢のような話に聞こえる。


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