#692 スペースレール計画において、インターワープ3内への延伸の中止です
#692
「ああ、これよりの先の延伸は計画通りに進める、変更はない」
ノバの真摯な眼差しにミーナミは指令として、総責任者として決意を言う。
「・・・わかりました、愛しの旦那様の変わらぬ気持ちが聞きたかったのです」
「ノバさん、ありがとう」
ミーナミはノバがここまで来て、スペースレール計画に反対しているのではないことがわかり、ほっと安心する。
「それでですね、インターワープ内延伸について一つ提案があります」
「それは・・・どんなこと?」
ミーナミはどきどきする胸の鼓動を隠しながらノバに尋ねる。
「スペースレール計画において、インターワープ3内への延伸の中止です」
ノバはきっぱりと言う。
インターワープどころか通常宇宙空間ですらノバの協力なしにはスペースレールを敷設するなどできはしない。
そのノバが中止を宣告している。ミーナミについさっき確認した決意はなんだったのだ?。
「ノバ少佐、それはどういう・・・」
「ああっ、言い方が悪かったですね、インターワープの通過を反対しているわけではないのです」
「どういうこと?わかるように説明してくれ」
ミーナミは混乱する頭の中を必死に整理しながらノバに尋ねる。
「では説明します、これを見てください」
大型モニタにノバが映し出したのは詳細な宇宙図だ。
ノバの頭の中を映し出しているといってもいいほど細かく星々の位置関係が示されている。その中にひときわ太いラインが引かれている。
そのラインは・・・インターワープ3ステーションβから伸びて、インターワープ3から離れた場所で、トンネルのような部分で消えている。
そのラインが再び現れるのははるか離れた別の宙域と思われる場所・・その先にはインターワープ3ステーションαと書かれている。
「これは・・・スペースレールはインターワープ3を通らないで、別のワープルートを通るということなのか?」
「はい、その通りです」
ノバはニヤッと笑って答える。




