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#691 宇宙船が彼女ですが、何か 第5巻 インターワープへの挑戦

#691


宇宙船が彼女ですが、何か 第5巻

#インターワープへの挑戦


 短くも楽しかった休暇はあっという間に終わる。そして、スペースレスキュー隊フェニックスの面々には再び忙しい日々が始まる。


 スペースレール計画はどうなっているのか?


 現在レールはオツキからインターワープステーション3まで仮開通している。次のステップはいよいよインターワープへの挑戦だ。


「ミーナミ指令、お話があります」

 真剣な眼差しでミーナミに話しかけてくるのは、ノバ少佐だ。


 二人はスペースレール計画の責任者であるが、夫婦でもある。ユナという子供までいる。


 だが、旗艦ルミナス内に設けられてスペースレール計画本部にいるときは、お互いあえて、他人として言いにくいことも提案することにしている。


「ノバ少佐、なんだ?」

 ミーナミとノバはゆっくり休めたのか、かなり元気を取り戻している。顔色もつやつやしているように見える。


「インターワープ内へのレール敷設ですが、考え直してはどうでしょうか?」

「はあ?考え直す?今更か?」


 さすがのミーナミもここまで計画を作り、あちこち駆けずり回って許認可やら同意やら調整やらに全精力を傾けてきているのだ。


 今更考え直すせとは、ノバの真意を聞きたい、とミーナミは思う。


「航法ユニットでもあるノバ少佐がインターワープ3内へのレール敷設をやめろというのはとても重い、と思うけど、何か理由があるのかい?」

ミーナミはノバを見つめて言う。


 ノバは見渡す限りの宇宙図を把握している稀有な存在のRAI実在人工知能だ。そのノバの判断はミーナミの浅はかな考えを吹き飛ばす


「インターワープが危険だということはこれまでの活動からも明らかです。それでもミーナミ指令はスペースレールをこれより先への延伸に挑戦する覚悟がありますか?」


 ノバの視線は今までに見たことがないほど真剣で真摯だ。ミーナミはごくりと唾を飲み込むと自分の意見をノバに話す。



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