#677 俺とルミナの間に赤ちゃんを作るっていうのはどういうことなのだろうか?
#677
「なあルミナ、もし俺の体を細胞レベルでそっくりコピーしたらどうなると思う?」
「体のコピーですか?」
「ああ、そうだ」
「そうですね、RAIは有機体を持たないので、間違っているかもしれませんが、そっくりコピーしても、ハルトさんの意識というか魂まではコピーできないので、ハルトさんの体のコピーができるだけではないでしょうか?」
「うん、そうだよね、俺もそう思う、じゃあ、その時点での細胞内の電位までそっくりコピー出来たらどうなるだろうか?」
「電位ですか?、人の細胞、特に脳細胞は電位で働いていて、その電位が脳細胞、シナプス伝達することで、知性や思考が発生するということであれば・・・あっ、そうか、その時点でハルトさんが考え感じてること、つまり魂までコピーできるかもしれないですね?」
「うん、ということはそのルミナたちRAIが旗艦ルミナス内で生きて活動できるということはルミナたちRAIはルミナスの電位と同期しているっていうイメージなのかなあ?」
「そうですね、その電位が私たちの知性や意識を作っているということであれば・・・そうかもしれません」
「じゃあさ、俺とルミナの間に赤ちゃんを作るっていうのはどういうことなのだろうか?」
ハルトは今まで疑問に感じて、ずっと考えていたこと、でもちょっと女性であるルミナには聞きにくいことを質問する。
「人同士はどうなのですか?」
ルミナが真剣なまなざしでハルトに尋ねる。
「人の場合は、男の精巣から生み出される精子を女の体内にある卵巣から生み出される卵子に受精するんだ」
「ふーん、すごい仕組みですね」
「うん、それから子宮で細胞分裂により増殖、10か月間育ててから、体外に生み出すんだよ、それが赤ちゃんだ」
「それで増殖した細胞がどうして、赤ちゃん、人に育つのですか?」
「精子と卵子の中にそれぞれDNA、人の設計図かな?、が入っていて、それが混ざり合って、生き残れる確率の高いものが採用されるんだ、その選ばれた細胞が増えて、人を形作っていくだよ」
「へえ、それは素晴らしい仕組みができているんですね、でもれってクローンとどう違うのですか?」
ルミナは不思議そうに尋ねる。
「うーん、クローンって人の体をそのままコピーして同じ人を作る技術だよね」




