#669 えーっ、私とエリシアのどっちが好き?
#669
ティアナはそう言うと、ハルトににひひひと笑う。
いつものティアナは戻ってきたみたいだ。ハルトはそんなティアナを優しく抱きしめると、再びキスの雨をティアナに降らせる。さて、今夜は2回戦でも3回戦でも、受けて立とうじゃないか。
翌朝、見慣れない部屋で目が覚めた二人は、なんとなく照れながら、おはようと朝の挨拶をする。それはまるであまあま新婚さんのが初夜が明けた朝のようにも見える。
「ねえ、ハルトさん、今日はどうするの?」
ティアナは朝っぱらからハルトの腕にしがみつきながら尋ねる。
「そうだなあ・・・エリシアの観光をしたいかなあって」
「そうか、ハルトさんは、旗艦ルミナスで戦乱のエリシアに来て以来、観光地って言ったことないもんね」
「うん、そうだね、私も行きたい!」
そういうと二人は身支度をしてホテルを後にする。
そして街の中心にある大きな広場まで歩いて戻るとそこで屋台で買った朝食を食べる。
「ねえ、ハルトさん・・・」
「なんだ?」
「私ね、このエリシアって大好きなんだよ、ハルトさんの生まれ故郷はどうかな?」
「俺の生まれ育ったのはチキュウって惑星でとってもきれいな星だよ。そうだな、エリシアと似ている部分も多いな」
「じゃあ、エリシアも好きになってもらってるかな?」
「ああ、このエリシアでティアナは生まれ育ったんだからな、好きにならないわけがないよ」
「えーっ、私とエリシアのどっちが好き?」
「ティアナと惑星を比べるってのがそもそも無理なんじゃ・・・でもティアナは惑星なみ、いや恒星並みに光り輝いているからな、大好きだよ」
ハルトはそういうと、ティアナのほほにちゅっとキスをする。
「もう、ハルトさんのばか」
ティアナはそういうと、立ち上がって、走り出す。
「ハルトさん、こっちこっち」
ティアナは広場の噴水の前でハルトに手を振る。
そしてそのまま、噴水のふちに腰かけると、足をブラブラさせる。
「ねえ、ハルトさん、私ね、このエリシアが大好きなの」
「ああ、俺もだよ」




