表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
664/702

#664 私のこと、お姫様って言ってくれたでしょ?

#664


 実はハルトがこのセレスタワーを初めて訪れた、というか迫った時は宇宙戦艦ルミナスで、悪の帝王よろしく降臨したのであった。


 そのうえで、ティアナがティアロイドになって敵を殲滅するという華々しい訪問である。そして新国王オウアクを追放したのだ。


 ティアナはエリシアの街を歩きながらハルトに話しかけるが、なんだかいつもと様子が違う。


「なんだ?」

「私のこと、お姫様って言ってくれたでしょ?」


「ああ」

「とっても嬉しかったの、これまでずっと王女様としか言われてなかったから」


 ハルトはそれを聞いて少し考えてからティアナに話しかける。


「・・・なあ、ティアナ・・・いやティアナ姫様とお呼びした方がいいのかな・・・」


 ハルトにそういわれて、ティアナは目をくりくりさせる。そしてハルトの腕をつかんでいる手にぎゅっと力がこもる。


「ううん、今まで通りでいいよ」

 ちょっと不安な気持ちになりつつも、ティアナはハルトに返事をする。


「そうか・・・でもな、俺は姫様の夫になったんだな、光栄だよ」

「・・・うん」


 ティアナは少し元気なく答える。そして少し間をおいてからまた話し出す。


「あのね、私ね、ずっと一人っ子で・・・お父様もお母様も忙しいし、兄弟もいないし・・・」

「ああ」


「王女で、お姫様って呼ばれるのは嬉しかったんだけど・・・ずっと寂しかったんだ・・・」

 ティアナはそう言うとハルトの腕を放して歩き出す。


 ハルトも慌ててそのあとを追う。しばらく歩くとティアナが立ち止まった。そこは大きな広場になっており、たくさんの屋台や店が立ち並び観光客で賑わっている。今ちょうど食事時で、多くの人が行きかっていた。


「ねえ、ハルトさん」

 立ち止まったティアナはいきなり振り返ってハルトに声をかける。


「あ?なんだ?」

「ここで、食事にしょましょう?」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ