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#661 なにい?、じゃあセレスタワーには誰もおらんということか?

#661


 ティアナはそういうと、自分の体内にいるハルトと体が一体となるように感覚を共有する。そして感覚を共有したままティアナはぶちゅっとハルトにキスをする。


「ああ、もう幸せ・・・」

 そんなティアナの思いに呼応するようにティアロイドはセレスタワーを目指して一直線に飛翔する。


「ハルトさん、もうじきセレスタワーに到着だよ」

 ティアナはそういうと、巨大な塔であるセレスタワーに接近する。


 いつもはそこからそれなりに離れているフェニックスベースに離発着するので、久しぶりに見るセレスタワーは思っていたよりも大きく、立派な建物だ。


「おい、エリオット国王は戻ってきているのか?」

 国王夫妻はこの間までコスモ1号に試乗して、仮設終着駅に着いたはず、そのあとはどうしたっけ?


「あ?お父様とお母様は、仮設駅に到着後はそのままインターワープステーション3ベータに向かったはずだけどナ?」

「なにい?、じゃあセレスタワーには誰もおらんということか?」


「そういうことになるかなあ」

 ティアナは知らなかったふりをしているが絶対に確信犯だ。


 何を狙っているのか?、全く油断がならない妻だ。


「セレスタワー管制より、未確認飛行物体、聞こえますか?」

「あっ、管制からだ、いっけない、事前通告忘れてた」


「こちらティアロイド、所属はスペースレスキューフェニックス隊、通告遅れました、ごめん」

「管制よりティアロイド、姫様、わかってはおりましたが、通告はきちんとして頂けないと、撃墜されても文句は言えないのですぞ」


「ティアロイドより、セレスタワーへの着陸許可を求めます」

「姫様、今度だけですぞ、着陸許可いたします」


 ティアナと管制のやりとりを聞いていると、ティアナはやっぱりお姫様なんだなあって思ってしまう。


 普段の言行とは全く一致しないが、ティアナの王族としての風格は間違いなく本物なのだ。


「ああ、良かったあ、このまま着陸するね」


 ティアナはそういうと、セレスタワー屋上にあるHと書かれた航空機向けの簡易エアポートにすとんと着地する。


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