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#655 俺はね、ノバさんがいてくれるから頑張れるんです

#655


「ねえ、ノバさん」

「なあに?」


「俺はね、ノバさんがいてくれるから頑張れるんです」

 ミーナミはそういうと、再び唇を重ねる。


 そしてそのまま舌を絡ませながら互いの服を脱がせていく。やがて二人は生まれたままの姿になる。


 そして再び抱き合うと、今度はお互いの体を重ねるようにしてベッドに倒れこむ。そしてキスを繰り返しつつ、二人の手は相手の体を愛撫しあう。


「あ・・・あん・・・」

「う・・・ん・・・ああ・・・」


 ノバとミーナミは自然に互いの感じる体の箇所に手を動かして刺激しあう。


「あの・・・俺・・・」

「いいの、来て」


 ミーナミの潤んだ瞳を見たノバはゆっくりと自身の体を開く。そしてミーナミの分身をノバの体に迎える。


「あ・・・あああ・・・・いいっ!」


 ミーナミはノバの体内に己の遺伝子をたっぷり含んだ愛の塊を送り込む。ノバはそれを歓喜の中で迎える。


 RAIであるノバは人類が持つ繁殖機能は持ち合わせていない。だが、ミーナミの遺伝子情報を100%完璧に分析し、ノバが持つ幾多の遺伝子情報を組み合わせて、完璧にマッチングするものを探す。


 そして二人の遺伝子情報をミックスして、自然の淘汰を勝ち抜いて誕生したのがユナなのだ。


 ノバ達RAIは繁殖機能どころか実体すら持っていない。だが、ルミナがハルトと出会うことで、RAIと人類は互いに理解し補完成長できる存在であることが確認できた。


 もともと人類が呼ぶところの{たましい}として女神ソフィアが生み出したのがRAIであるとすれば、RAIと人類が交わって生殖するのは至極当たり前のことと思える。


 ノバとミーナミの間には愛を交歓してすぐにユナを授かったために、RAIと人類の繁殖は割と簡単と思ってしまったが、ハルトとルミナやティアナの様子を伺えば、ユナの誕生は奇跡としか思えない。


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