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#653 私は本当に生きているって実感できるんだ

#653


「あのですね、自分はもっとカノンさんに近づきたいです」

「私もですよ」


「あのですね、自分、ずっと悩んでました。このまま一緒にいてもいいのかなとか、でもこうしてお互いの気持ちをきちんと伝えあったからには、もう迷いません」


「はい」


「あのですね・・・自分と付き合ってください、この枕でお返事をもらってもいいですか?」

 アミルはそういうと、カノンにYes枕を渡して、返事を待つ。


「アミルさん、私の返事はこれです」

 カノンはそういうと、Yes枕をひっくり返してアミルに渡す。枕の裏側に書いてあるのは、もちろん、{はい}だ。


「カノンさん、ありがとう、自分、とってもうれしいです、カノンさんを一生大切にします」


 アミルはそういってカノンをぐっと抱き寄せると、カノンの澄んだ瞳をじっと見つめて、正面からしっかりと唇を重ねる。


 カノンはそうは言っても{いいえ}と書かれた枕も必要かな?なんて、これからのアミルとの長いお付き合いを考えて真剣に考えてしまうのである。


ノバとミーナミは旗艦ルミナス内にあるスペースレール指令室にまだ残っている。


「ノバさん、お疲れ様、そしてありがとう」

 ミーナミはノバにそういうと、ぎゅっと肩を抱き寄せる。


「ミーナミさんこそ、お疲れ様でした」

 ノバもミーナミの腰に手を回してぎゅっと抱き寄せる。


「ノバさんのKDSLがうまく動いているおかげでスペースレール計画も順調に進んでいるよ、本当にありがとう」

 ミーナミはそういうと、ノバに軽くキスをする。


「ううん、ミーナミさんがいてくれると、私は本当に生きているって実感できるんだ」


「ノバさん、俺もだよ、広い宇宙でノバさんに出会って、認めてもらえて、本当に奇跡って起こるんだって思っているよ」

 二人はそういうと再びキスを交わす。


「さあ、ここは今日はおしまいにして部屋に戻ろう」


 ミーナミはそういうと、ノバの肩を抱いたまま、指令室をオートモードにする。こうしておけば何かあった時にはすぐに連絡が入るはずだ。



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