#651 ・・・自分はカノンさんのことが大好きです
#651
アミルはカノンが承諾を即答してくれると思っていたので、カノンの微妙な返事にたじろぐ。
「カノンさんと二人きりになりたいんです」
アミルははっきりとカノンに言う。
「・・いいですよ、行きましょう・・・」
アミルはカノンの承諾を聞くと心臓がどくんどくんと脈打つことを意識する。
そして、カノンの肩を抱いたまま、二人は立ち上がる。アミルはそのままゆっくりと連れ立って自室に向かう。
アミルは自室に入ると、そのままカノンの手を引いてベッドに向かう。そして二人はベッドに腰掛ける。
「あの・・・その・・・」
アミルが何かを言おうとするが、なかなか言葉が続かない。
そんなアミルをカノンは優しく見守るように見つめながら次の言葉を待つ。
「あのですね、カノンさん」
「はい、なんでしょうか?」
「・・・自分はカノンさんのことが大好きです」
「ありがとうございます」
「あのですね、自分はカノンさんともっと仲良くなりたいです」
「私もですよ」
「あのですね、自分はカノンさんともっと一緒にいて、いろんなことをしたいです」
「はい」
「その・・・あのですね・・・」
アミルはそこまで言ってまたも言葉に詰まってしまう。
そんなアミルをカノンは優しく見守るように見つめながら次の行動を待つ。カノンは大砲娘として宇宙空間を彷徨っていた期間が1000年近くと長いせいか、自分の感情を表に出すことが苦手であり、相手の感情を察することも得意ではない、いや得意ではなかった、このアミルと出会うまでは。
カノンはミーナミ、ミーシャ、アミルの3人組とインターワープステーションベータ2で休暇中にナンパされる形で出会った。
カノン側にはノバとリリア、そしてチョコがセットになってぶらぶらしていた。そこに声をかけてきたのが、アミル達3人組だ。




