#650 あ・・・あのですね、自分はカノンさんと一緒にいられて幸せです
#650
「あの、カノンさん、だめ、でしょうか?」
勇気を振り絞ってアミルは続ける。
「・・・だめな、わけ、ないじゃない・・・」
カノンはようやく小さな声で承諾の返事をアミルに返す。
「・・・カノンさん、うれしいです・・・」
そんなカノンの言葉に、アミルはさらに赤くなりつつ、カノンの肩をそっと抱いて、自分の方に引き寄せる。
カノンの緑色を帯びた髪の毛からはなんともいえないいい香りが漂い、アミルの次の行動をうながす。
「カノンさん、自分はカノンさんのことが大好きです、カノンさんのことをもっと知りたいです」
アミルはカノンの耳元でそう囁くと、カノンのほっぺたにちゅっと軽くキスをする。
「あ・・・ありがとうございます」
カノンお嬢様
カノンはそれだけいうと、もういっぱいいっぱいのようである。
「あ・・・あのですね、自分はカノンさんと一緒にいられて幸せです」
アミルはそういうと、今度はカノンをぎゅっと抱きしめる。
「私も・・・その・・・」
「なんですか?」
「私もアミルさんとこうしていられることが幸せです」
「ありがとうございます」
二人はそのまましばらく抱き合う。
アミルは今迷っている。カノンとの関係をどこまで進めればいいのか、正直わからないのだ。
「カノンさん?」
「はい、なんでしょうか?」
「あの、自分の部屋に来ませんか?」
迷いに迷った末、アミルはもう一歩進めることに舵を切る。
「・・・ここではだめでしょうか?・・・・」




