#643 このままじゃまたミーシャさんとのデートが先に延ばされちゃう
#643
これまでどこかと調整連絡に励んでいたミーナミスペースレール指令が姿を現す。
「みなさんのおかげで、スペースレール計画第一段階に目途が立ちました、これで3日後にはインターワープ3ベータにコスモ1号が乗り入れすることができそうです」
ミーナミは隣に並び立つノバと顔を見合わせるてにっこりする。
「おおっ、ミーナミ指令、オツキとIWS3ベータの間がスペースレールで結ばれるのは画期的なことだな」
これまたいつの間に現れたのか、エリオット国王が口をはさむ。
「でも、このままじゃまたミーシャさんとのデートが先に延ばされちゃう」
「そうよね、アミルさんもいつまで待ってってくれるのか・・・」
小さな声でぶつぶつと不満をぶつけあっているのは、リリアとカノンだ。ミシャリリとアミカノはコスモ1号運転士なので、運転前にプラズマレールの延伸部分の確認をしなくてはならない。
しかも全通すれば、今度は運行に向けての計画も練らなくてはならないので、ちっともゆっくりできないために不満がたまっているのだ。
「まあ、そうはいっても、レール敷設が完了すれば、インターワープ3ベータまでの正式開通を目指すことができるからなあ」
ハルトは気楽に言う。
「そうですね、レール延伸のめどが立ったのは大きいと思います、ただ・・」
「ただ?」
「ミーナミ指令も、ノバちゃん、リリアちゃん、カノンちゃん、ミーシャさん、アミルさん・・・みんな疲れてますよね」
ルミナがぼそっと言う。
「そうか、そうだよな」
「ハルトさんはてっちゃんだからスペースレールにことを考えるとアドレナリンがたくさん出て、疲れを感じないかもしれませんが・・」
「じゃあ、アリスとティアナは?」
「アリス中佐はものづくりが趣味だし、ティアナ少佐は出撃させておけばノーストレスだから・・ワーカホリックってやつですかね」
「うん、わかった、俺のペースでスペースレール計画を進めちゃだめだよな、ここいらで思い切ってしっかり休もうか」
ハルトはルミナの顔を見ながら、はっきりと宣言する。
「休みにすればみんな喜ぶと思いますよ、ハルトさん?」
ルミナがうれしそうに同意する。




