#642 PR100型は単独で動作可能で自走しながらプラズマレールを敷設することができます
#642
「このPR100型は単独で動作可能で、旗艦ルミナスよりプラズマレール構成ユニットをまとめて受け取り、今回で言えば閉塞区間単位でプラズマレールをフルオートで敷設できる初めての保守専用車両なのです」
「へえーっ、メカメカしくていいねえー」
ハルトは素直に感心する。
「これまでに完成したプラズマレールの最先端にこの車両を配置して、自走しながらプラズマレールを敷設することができてしまいます」
アリスは自慢げに説明する。
「ってことは、これまでの敷設に必要だった旗艦ルミナスとフェニックス2号改はなくてもいいってこと?」
ルミナが質問する。
「その通りですルミ姉、旗艦ルミナスはサポートのためにPR100の後方からついていけば大丈夫になるのです」
「なるほど、それはいいわねー」
ルミナは納得顔だ。
「ではハルト隊長と艦長のルミ姉には私から説明しますが、現在の閉塞区間の位置関係を大画面に表示しますのでご覧ください」
アリスがそういうと、宇宙図が映し出される。そして地図の中にいくつものピンが立ち、それぞれのピンに数字がついている。
「現在位置はここです」
そういいつつ、アリスはピンの一つを指し示す。
「このピンの数字は何なの?」
「それは、インターワープ3ベータまでの距離です」
「え?もうそんなに進んでるの?」
「はい、ここからはPR100型プラズマレール敷設車両を使えば、この距離を3日もあれば、IWS3まで敷設することが可能です」
「3日かあ」
「はい、つまり、オツキからIWS1ベータまで3日間もあればプラズマレールがつながるということです」
「おおっ、それはすごい」
ハルトが感嘆する。
「つまり、これでスペースレール計画の第1段階が完了するというわけです」




