#638 わかりました、あれは・・・虹です!
#638
ついこの間のプラズマレールを破壊するために攻撃は、オウアクからのものだ。あの時は、旗艦ルミナスが艦首主砲ポジトロンキャノンを発射して殲滅した。今回もオウアクの妨害だろうか。
「指令室より、迎撃は待て!オウアクではない」
未確認物体がコスモ1号に近づく。
「アミル、未確認物体を識別できるか?」
ミーシャが声を上げる。
「やってみる・・・」
アミルとカノンが各種センサを駆使して、分析を行う。
「わかりました、あれは・・・虹です!」
「指令室より、虹とはあの七色に光るゲートのことか?」
「アミルより、そうです、非常に珍しいのですが、宇宙空間のちりにプラズマレールとコスモ1号のプラズマエネルギーが反応してできた虹、です」
「アミルより、コスモ1号は虹に下をもうすぐ通過します」
「指令室より、了解、そのまま運行を続けてくれ」
「ミーシャより、了解!」
「リリアさん!これはすごいことですよ!」
ミーシャが興奮している。
「はい!私もこんな現象は初めて見ました」
コスモ1号はすぐに虹のかけ橋の下を通過する。
惑星地表ならともかく、宇宙空間で虹が架かるのはとても珍しいことなのだ。
「ぴー、ぴー、ぴー」
コスモ1号は虹の架け橋を通過する際に、虹に敬意を表して警笛を3度鳴らす。
「コスモ1号より指令室、虹を通過しました」
「了解」
指令室のハルトは、虹の正体に薄々感づいている。そして、旗艦ルミナスのブリッジでその名を呼んで頭を下げる。
「あの、女神ソフィア様、お祝いをありがとうございました」
その瞬間、ブリッジ内の照明がふっと消えて、女神ソフィアの幻影が現れる。
「どういたしまして」
やはり宇宙空間の虹は女神ソフィアからのスペースレール試運転へのお祝いだったようだ。




