#632 コスモ1号より指令室、発車準備すべて完了
#632
「コスモ1号より指令室、1号車レールオン完了、続けて2号車から5号車迄同様にレールオンします」
ミーシャはほっとして、指令室に報告後、2号車のレールオンに神経を集中する。2号車のレールオンを確認すると、1号車と連結作業を行う。
「2号車連結、正常に完了」
コスモ1号のシステムが順調に進んでいることを報告する。
これまでの宇宙船は他の船と連結するという風習がなかったために、スペースレールシステムの連結概念をエリオット国王をはじめとするメンバーに理解してもらうことがけっこう大変だったことを今更ながら思い出す。
ミーシャは2号車のレールオンを確認し、そのまま3号車から5号車までのレールオンを一気に行い、完了する。
「コスモ1号より指令室、1号車から5号車までのレールオンと連結作業を完了しました」
「こちら指令室、1号車から5号車迄の連結状況を報告してください」
「コスモ1号より、連結状況はオールグリーンです」
ミーシャは続けて、連結後のコスモ1号全体の状況を確認し、指令室に報告する。
「コスモ1号より指令室、発車準備すべて完了」
「指令室より発車は予定通り15m後です、しばらく待機願います」
ミーシャはほっと一息つくと、始発駅オツキのプラットフォームを確認する。プラットフォームには誰もいないはず、が人がいる。
「コスモ1号試験列車出発おめでとう!」
派手な電飾で飾った横断幕をバックにぶんぶんと手を振るのは、やはりティアナだ。
ティアナは完全武装のティアロイドSに身を固めている割には、うれしそうにしている。そしてもう一組はエリオット国王夫妻だ。こちらもうれしそうにしている。
「ハルトよりコスモ1号、悪いんだけど、エリオット夫妻を乗せてもらってもいいかな?」
やはりそう来るか、ミーシャはそう思いながら指令室に連絡する。
「コスモ1号より指令室、聞いた通り乗客ができましたが、許可してもらえますか」
「指令室より、おほん、まあ仕方ないかな、乗せてやってください」
「コスモ1号より、承知しました」
「アミルとカノンさん、頼むよ」
「了解」
アミルが2号車(元のマンディ号)のドアを解放し、カノンと二人でエリオット国王夫妻を出迎える。




