#631 コスモ1号より指令室、システムチェック完了、いつでもどうぞ
#631
「ミーナミ大尉、システムと戯れるのはそのくらいにして、仕事に入りましょう」
右舷デッキに移動したミーシャ他の4人は、コスモ1号車内に入るが、すぐに外に出てきて、コスモ1号の周囲の安全点検を行う。試験運航を成功するためにはまず車両に問題がないことをスタッフが確認する。
4人は真剣にコスモ1号の周囲を回って、爆発物などがないか、船内から漏れ出すものが見当たらないかどうかなどマニュアルに従って、点検する。今日は初めてなので、旗艦ルミナス内で行っているが、本格的に運行を開始すれば、車両基地で行うことになるであろう。
「ミーシャ車長、点検完了、異常なし、です」
アミルが代表して、ミーシャに報告する。
「了解です、各自シートに着席願います」
ミーシャに言われて、各々が運転室のシートに着席する。ミーシャとリリアが運転士席、アミルとカノンがエンジニア席だ。
「始業前点検にかかってください」
ミーシャの呼びかけでコスモ1号に異常がないかどうか、運行システムと対話しながら点検を進める。
コスモ1号にはもちろん自動点検システムが備わっているが、最終確認はスタッフが行うのがお約束だ。
「運行システムとの確認対話が終了しました。コスモ1号の運行準備はすべてOKです」
「アミルより、確認終了」
ミーシャとアミルは運行システムとやりとりしてチェックを完了させる。
「コスモ1号より指令室、システムチェック完了、いつでもどうぞ」
ミーシャからの連絡を受けて、ミーナミは指示を出す。
「こちらスペースレール指令室、コスモ1号を始発駅オツキにレールオンします」
「コスモ1号了解」
ミーシャは指令室に承諾信号を送る。
「10秒前・・・5・4・3・2・1、 コスモ1号レールオン開始」
旗艦ルミナスの右舷デッキより大型のハンガーに吊り下げられたコスモ1号1号車が現れる。
始発駅オツキに敷設されているプラズマレールからレーザビームが伸びて、コスモ1号とリンクする。
「コスモ1号移動、そのままレールオン」
コスモ1号はハンガーのロックが外れて、プラズマレールレールオンする。
プシュ、しゅいーん。




