#その63 ねえねえ、ハルト船長・・・これなあに?
#その63
「ノバとルミナには何か欲しいものがあったら買ってあげるよ」
ハルトがそういうと、ルミナもノバも興味津々であれこれ商品を見ている。
そして棚の端から端まで眺めているうちにだんだんと飽きてきたのか、ノバがハルトのところにやってくる。
「ねえねえ、ハルト船長・・・これなあに?」
そこには星型をした宝石に見えるアクセサリっぽいものが並んでいる。
「うーん、何だろう・・・アクセサリじゃないかな?」
ハルトはそういうと、その星型の石を手にする。石は内部から光を発して、店の壁にきれいな星空を投影する。
「ルミナ、これどうだ?」
そばに来た3Dルミナの胸元に星空が写っていて、とてもきれいだ。この投影機なら実体を持たないルミナとノバでも楽しめそうだ。
「わあ、きれい!ハルト船長、ありがとう!」
ルミナもノバも喜んでいるので、これを購入することにする。
「おっ、この投影機にはいろいろな星空を楽しめるように、入れ替え用のカプセルがあるようだぞ。」
「そうなのですね」
「好きなカプセルを選んでいいぞ」
ハルトがそういうと、真っ先にノバがショーケースを覗き込む。
「ねえ、ハルト船長!この星空はいつの時代の景色なの?」
ルミナが指さすカプセルには木星や土星などの写真が載っている。
「これは昔の地球の火星だよ。」
するとルミナも目を輝かせて言う。
「わあっ、見てみたい!」
ハルトはそんな二人の反応に驚く。
「そうか・・・君たちは宇宙で生まれたから地球を知らないのか・・・」
「はい、そうですけど・・・」
「じゃあ、これを買おうか。」
「ルミ姉、ずるい。」
「ノバもカプセルを選べばいいでょう?。」
ルミナに促されて、ノバはショーケース内に入り込んで面白そうなカプセルを物色する。