#618 シミュレータでの訓練の成果を見せてくださいね、ハルト隊長殿?
#618
旗艦ルミナス右舷デッキの敷設ハンガーに支持されつつ、船外に繰り出されたプラズマレールは、後部に控えているフェニックス2号に取りつけられている、レールキャッチャーをハルトが操作してすぐに保持する。
「ミーナミより、旗艦ルミナスとフェニックス2号は保持しているレールを始発駅オツキのプラットホーム横の予定場所に設置願います」
「旗艦ルミナス了解、フェニックス2号と協調作業します」
「フェニックス2号了解、ルミナ艦長、さあ、やるぞ」
ルミナとハルトはそれぞれ旗艦ルミナスとフェニックス2号を操艦する。レールを保持しているハンガーが微妙に移動して、所定の場所に見事にレールを設置する。
「ミーナミより、レールの設置を確認、OKです」
ルミナとハルトはほっと一息入れる。
「続けてノバ少佐、プラズマレールのKDLS動作開始願います」
「ノバ了解」
ノバは短く返答すると、目前のモニタを確認する。先ほどユナとチョコがプラズマレールに祈りをささげたばかりであり、きっとレールは生きているであろう。
ノバはさらに航法ユニットの機能をレールに対して動作することを許可するのだ。この状態はハルトからすれば、ファームウエアを起動してアクティブになった、というかもしれない。
「ノバより、プラズマレールのKDLS動作開始、現在座標にて固定を確認しました」
「ミーナミより了解、第一段階は無事成功です、みなさんありがとうございます」
ノバによりアクティブになったプラズマレールは、気持ち淡いブルーの光を発しており、いかにも元気に活動を開始しているように見える。
「それでは、2本目は最初のレールに接続して、敷設を続けます」
「旗艦ルミナス了解、2本目のレールを繰り出します」
「フェニックス2号了解、2本目をキャッチし、1本目に接続します」
「アリスより、レールの接続はシミュレータでの訓練の成果を見せてくださいね、ハルト隊長殿?」
アリスがそういうとフェニックス2号は旗艦ルミナスより繰り出されるレールの後方で待機する。そして、その前方では2本目のプラズマレールをセットしたハンガーからレールがゆっくりと船外に繰り出されている。
フェニックス2号は繰り出されてくるプラズマレールを器用にキャッチすると、敷設済みの1本目のレールの近くまで誘導する。




