#617 さっすがー私の旦那様、操艦の腕はぴか一ですね
#617
「旗艦ルミナス了解、プラズマエンジン接続、微速前進」
旗艦ルミナスは巨体でありながら、ルミナの操艦によりプラズマエンジンを繊細に調整して、ミーナミの指定場所に移動する。そして、右舷デッキのハッチを全開にする。
「旗艦ルミナスは、プラズマレール敷設用ハンガーを右舷デッキより船外に展開してください」
「旗艦ルミナス了解、敷設用ハンガーを船外に展開します」
ルミナは指示に従って、右舷デッキからプラズマレールを船外に繰り出して、後部に控えているフェニックス2号と共同して敷設するハンガーをセットする。
「ミーナミ大尉へ、ハンガーセット完了」
「ミーナミ了解、ルミナ艦長完璧です、感謝します」
ミーナミはそう言って、ルミナをねぎらう。
「フェニックス2号は旗艦ルミナスを発進、そのさらに後方にて停止」
「ハルト、フェニックス2号了解、発進します」
フェニックス2号は左舷デッキより静かに発進し、前方にて静止、旗艦ルミナスの下方に沈降する。そのまま旗艦ルミナスをやり過ごすと、ルミナス後方に上昇、帰艦ルミナス右舷後方にぴったりと位置する。
「さっすがー私の旦那様、操艦の腕はぴか一ですね」
ルミナがうれしそうにつぶやく。
「艦長ルミナよりアリス中佐、旗艦ルミナス、フェニックス2号共に所定の位置に着きました、作戦準備完了、です」
「ミーナミより、それではプラズマレール敷設試験を開始します、みなさんよろしくお願いします」
ミーナミは大きく深呼吸してから作戦開始を宣言する。
「ミーナミよりアリス工房、プラズマレール準備よろしいですか」
「アリスより、ユナチョコ配置完了、プラズマレールに{愛}を込めつつ、順番に繰り出します」
アリスがそういうと、プラズマレールの横にひざまずいたユナとチョコが熱心に祈りを捧げる体制に入る。二人は口内でなにやらぶつぶつとつぶやく。
「レールさんに幸せな時間が訪れますように」
ユナとチョコは送り出されるプラズマレールに加護を与えているらしい。
二人から加護をもらったプラズマレールは一瞬光ったように見えた後で、元のにぶいレールの輝きに戻る。そして、旗艦ルミナスの後部ハッチよりゆっくりと船外に繰り出される。




