#616 プラズマレールにユナチョコペアが愛情を与えます
#616
「あっ、あれが始発駅オツキかな?」
艦長ルミナがモニタに映し出したのは、細長い板状の建造物と、その上の簡単な屋根付きの建物だ。
「あの板をプラットフォーム、屋根部分を本屋っていうんだよ、この世界で駅にお目にかかれるとは思わなかったな」
てっちゃんであるハルト隊長が得意げに説明する。ハルトはよほど鉄道が好きなのか、スペースレール計画が発動してからずっとテンションが高いままだ。
「じゃあ、これよりアリス工房にて生成済みのプラズマレールにユナチョコペアが愛情を与えます」
「了解、りょーかい」
とノバとユナとチョコ。
「準備ができたプラズマレールを後部より順次繰り出すので、ハルト隊長はフェニックス2号で接続しながら、予定個所に敷設してください、敷設方法はトラの穴で特訓したとおりです」
「任せなさーい」
とハルト。
「旗艦ルミナスとフェニックス2号の周辺の哨戒をティアロイド、お願いしますね」
うん?、ティアナから返事がない。
「おい、ティアナ、どこにいるんだ?」
しばらくしてからティアナから応答がある。
「ごめん、ごめん、はるか前方まで哨戒済みだよー、安心してー」
「おい、ティアナ、それは哨戒じゃなくて、暴走っていうんだよ、無駄に動き回るんじゃない」
ハルトはティアナに一応注意するが、聞いちゃいないだろうな。
「みなさん、こんにちは、こちらミーナミです、本日はみなさんのお力添えを頂き、ありがとうございます」
これまでミーナミは惑星エリシアやインターワープ3ベータなどに出張して、スペースレール計画実施のために関係を調整していたが、ようやく現場に戻ることができ、旗艦ルミナスのブリッジに搭乗できたようだ。
「旗艦ルミナスはこのまま始発駅オツキプラットフォーム後方につけてください、フェニックス2号はその後方に位置してください」
ミーナミからてきぱきと指示が送られる。スペースレール計画においてはフェニックス隊はミーナミの元に結集するのだ。




