#610 じゃあユナがおねがいするね、チョコしゃん、サムライにかわれー
#610
「拙者はですな、必要な時にサムライにチェンジするのでござる」
「今はできないのでしゅか?」
「そうでござるな、今は特に必要とされていないのでな」
「そうなんでしゅか、じゃあユナがお願いするね、チョコしゃん、サムライに変われー」
「うわっ」
チョコはユナに願われると白い光を発して、体が大きくなる。次に光が収まった時には若侍にビルドアップしている。
「ユナちゃん、チョコです、わかりますか?」
「チョコしゃん、かこいいね、だいすきでしゅ」
チョコはユナからさっそく大好き宣言されて、照れながらもうれしそうだ。
「ユナちゃん、拙者もユナちゃんのこと、大好きでござるよ」
チョコがそういうと、ユナもうれしそうだ。
「じゃあ、ユナとチョコしゃんはけこんできるでしゅね」
「ぶふっ」
{けこん}に反応してお茶を噴き出したのはユナの母であるノバだ。
「ユナちゃん、結婚はまだ早いかなあ」
ノバはユナをなだめるように言う。
「なんで? おかしゃんとおとしゃんだってけこんしてるでしゅ」
「ユナちゃん、そりゃそうだけど、あなたはこの間生まれたばかりじゃないの?」
「ならば、いいなずけってのでどうでしゅか?」
ノバは許嫁をデータベースから調べる。
「許嫁とは、婚約者。フィアンセ。もと、幼少の時から双方の両親が婚約を結んでおくこと。またその当人同士のこと」
「なんでユナは許嫁なんて言葉を知ってるのかしらね、SAIだからってなんでも知ってるわけじゃないと思うけど」
ノバは一人でぶつぶつ言う。
「ねえねえチョコしゃん、いいでしょ、ユナのいいなずけになりましゅか」
さすがのチョコも返事に困ってノバとアイコンタクトしている。
「ノバ少佐、どうすればいいでござるか?」
「チョコさんさえよければ許嫁でもいいわよ」




