#607 拷問シミュレータじゃないの?
#607
ユナも素直にアリスに抱っこされるている。アリスの周りではマイクロマシンが飛び回ってユナをあやすしているように見える。
「えへん、これからユナちゃんとチョコちゃんに体験してもらうのは、スペースレール向け{ぷろぐらみんぐ}学習トレーナーです」
「拷問シミュレータじゃないの?」
「あのノバ少佐、お二人に拷問なんかさせるわけないじゃないですか」
「そりゃそうですね」
ノバは悪名高きシミュレータではないと聞いて安心する。
「このマシンはユナちゃんチョコちゃんに元々備わっている{ぷろぐらみん}能力を使えるように解放するマシンなのです」
アリスの自信満々の説明を聞いてもノバはどこかで安心できない。なので、ノバはこのマシンをしっかり監視することにする。
「じゃあ、まずこのシートに座ってね」
アリスはユナとチョコをトレーナーのシートに座るように促す。
「ここでちゅか?」
たどたどしくユナが確かめる。
「そうでちゅよー」
アリスが答える。
「自分もここでござろうか?」
いつものようにチョコが聞く。
「うん、そうだよー」
アリスがいつも通り答える。
「アリス中佐、ここでいいかしら?」
ノバはユナの隣に仮設イスを勝手に隅っこから持ってきて座る。
「どうぞ、ご勝手に」
そしてアリスはチョコの横にちょこんと座る。
そしてモニタをささっと操作すると4人の前にバーチャルスクリーンが現れる。
「ようこそ、能力解放トレーナー・・・Loading・・・」
いよいよ{ぷろぐらみんぐ}学習が始まる・・・らしい。




