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#その6 タイトルには{宇宙の出会いをあなた様に}とある

#その6


 マスターは平たい鍋でわかしたコヒーをカップに注ぐと、ミルクらしい小さな器と共に持ってきてくれる。色や香りはコーヒーにそっくりだ。ハルトは恐る恐る口を付けるが、地球で飲んでいたコーヒーの味とよく似ていて懐かしさを感じる。ハルトは満足そうに微笑む。その様子を見ていたマスターもにっこり笑う。


 スマホにニュースアプリらしきアイコンがあるので、手始めに起動する。画面には、このコロニーの今日のニュースらしきコンテンツが並んでいる。


「ここは毎日確認しなきゃいけないかな」

いくつかのアプリを起動しては閉じて次を見る、を繰り返していると面白いアプリが起動する。


 タイトルには{宇宙の出会いをあなた様に}とある。


「これはもしかすると出会い系か?」

 ハルトはわくわくしながらアプリを起動する。


 このアプリはやはり地球で言うところの出会い系サイトのようだ。簡単なプロフィールを登録すると、アプリはすんなり起動する。


「さて、これでメッセージのやり取りができるのかな。」

 サイト内にマッチングというボタンがあり、それを押すと、相手のプロフィールが見られる。


 ハルトはとりあえずマッチングボタンを押すと、ハルトはプロフィールに登録したばかりだというのにマッチング申請が3通も来ている。


「おお、これはすごいな。」

ハルトは最初のメッセージを表示する。


「こんにちは、ハルトさん。僕は男性で宇宙コロニーのB級市民です、名前は・・・」


 メッセージは自己紹介文から始まっているが、ハルトは読む気が失せてそのまま閉じてしまう。

次のメッセージを表示させるとまた自己紹介文から始まる。そして3通目も同じである。


 どうやらこのアプリでは最初に自分のプロフィールを登録する必要があり、それを確認せずにメッセージを送ってくる輩が多いらしい。


 ハルトは確かに男性に〇をつけたのであるが、相手は女性に限る部分のチェックはしなかった。これはハルトのミスである。


「まあ、これも出会いの一つだからなあ・・・。」

 ハルトはそうつぶやくと、プロフィール画面に戻って、もう一度登録を見直す。


 今度は、マッチング相手は女性だけに〇を付ける。

「おっ!」

 さっそく3人の女性からメッセージが送られてくる。


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