表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
598/704

#598 二人きりになっても階級で呼び合わなきゃだめですか?

#598


 ぷしゅーっと休憩スペースの扉が開き、二人を迎え入れると、ぷしゅっと短い作動音と共に閉じる。


「リリア少佐、緊急事態を無事に解決することができました、ありがとうございました」

 ミーシャはそういうと、リリアに向かってぺこりと一礼する。


「いえ、こちらこそ、無事解決できて良かったです、でも・・」

「でも、なんでしょうか?」

 リリアはミーシャをじっと見つめる。


「二人きりになっても階級で呼び合わなきゃだめですか?」

「あっ・・、リリアさんでいいですか?」


「まあ、いいけど、呼び捨てでもいいけど」

 リリアは真っ赤になって口ごもる。二人の間にはなんだか気恥ずかしい沈黙が訪れる。


「し、しばらく休憩しましょう」

 ミーシャはそういうと、お茶のボトル取りに簡易給湯室へ駆け出す。リリアはあわてて立ち上がり、その後を追いかける。


「いえいえ、ここは私がやりますよ」

「いえ、こちらは任せて下さいね」

 二人は見つめ合うとくすくす笑いあう。


 ひとしきり笑った後、再び沈黙が訪れる。ミーシャとリリアの間にはそんな静かな時間が流れていくのがお似合いのようだ。


 ミーシャとリリアは給湯室からテーブルに戻ると、お茶のボトルを開け、カップに紅茶を注ぐ。


「しかし、さっきのトラブル、よくできていました・・・」

 リリアがシミュレータが生み出したトラブルを思い出してミーシャに話しかける。


「本物そっくりでありそうなトラブルでマジであせったね」

 リリアの感想にミーシャが相槌を打つ。


「でも、ちょっと楽しかったです」

 リリアがそういうと、ミーシャもうれしそうにうなずく。


 シミュレータのおかげで、リリアさんとの距離が縮まった気がする。シミュレータ、ありがとう、と心の中で言っておく。


「あの・・・」

「リリアさん、なんですか?」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ