#597 アミル機関長、スペースドローンを確認、発進させます
#597
ミーシャは緊急停止ボタンをこぶしでばちんと押す。コスモ1号に強力な逆進がかかり、光速域から逆Gを受けながら停止に向かう。車内の照明が暗くなり、緊張感が高まる。
「コスモ1号より中央指令室、レール破断による緊急停止中」
「中央指令室より、破断原因を確認、修復後に再度連絡してください」
「コスモ1号了解」
「前方10000、レール破断確認、緊急停止」
「アミル、カノンは休憩から復帰、スペースドローンによりレール破損個所の確認」
「アミル、了解」
アミルはカノンと二人でコスモ1号に装備されているスペースドローンを確認している。
「アミル機関長、スペースドローンを確認、発進させます」
カノンが装備の中からすぐにドローンを見つけると、発進させる。
ドローンはコスモ1号5号車後尾から飛び立つと、コックピットをかすめるようにして、前方に飛び去る。カノンはドローンから送られてくる映像を見ている。
「ドローンが、レール破断個所に到達、原因を探査します」
ドローンはレールがなくなっている箇所の周囲を飛行し、情報を送信する。
「カノンよりレール破断原因確認、KDSL維持プログラムの破損のようです、自動リロードを使って、修復を試みます」
カノンは手際よく、ドローンをリモート操作して、修復作業を行う。
「カノンより、レール修復完了、コスモ1号運航再開できます」
コックピットにほっとした空気が流れる。
「ミーナミより中央指令室、コスモ1号運航再開できます、許可をお願いします」
「こちら中央指令室、レール破断回復、見事な処置だった、運航再開を許可する」
「車長より搭乗中のお客様へ、当列車はレール破断が見つかったために緊急停車していましたが、原因を取り除くことができたので、これより運航を再開します」
リリアが車内に運転復旧の案内放送を行う。
「第1閉塞進行、コスモ1号出発」
ミーシャはそう宣言すると、コスモ1号のプラズマエンジンの出力を上げて、再度高速巡航まで加速を行う。
「ミーシャ、リリアさん、ご苦労様でした、しばらく代わります」
アミルはそういうと、カノンと共にパイロット席に座る。
「おお、アミルありがとう、しばらく休むよ」
「アミルさん、カノンちゃん、しばらくお願いします」
ミーシャとリリアはそういうと、後部休憩スペースに向かう。




