表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
592/703

#592 自分はコスモ1号にミーシャやアミルと乗り組みたかったのです

#592


「あの、ハルト隊長、自分はコスモ1号にミーシャやアミルと乗り組みたかったのですが、だめなんですか?」

 ミーナミが不満げにハルトに尋ねる。


「コスモ1号の運転訓練はそれなりに時間がかかりそうだよな」


「そうですね、試運転までに覚えなくてはいけないことはけっこうありそうです」

「ミーナミ中尉は、初列車までにあちこちに挨拶したり、根回ししたり、全体の進行をとりまとめたりと、けっこう忙しいんだぞ」


「そうですね、コスモ1号が無事運航できるように、あちこちに気を配るのが自分の役目ですね、せめて、乗客としてノバさんやユナと一緒に乗り込めるように、お願いします」


「うん、それでいい、つまりな、ミーナミ中尉はスペースレール計画ゼネラルマネージャーが役割というわけだ」


「わかりました、ハルト隊長、ありがとうございます」

 ミーナミはそういって、ハルトに頭を下げる。


 試運転列車の運転士は絶対にミーナミ自らがやりたいと思っていたので、ハルトの決定はけっこうショックなミーナミではある。


 だが、スペースレール計画を提案した以上、成功するようにあれこれ心配する役割が必要なことも確かである。ミーナミは責任者はエリオット国王かハルト隊長にやってもらえるものと漠然と考えていた。だが、ミーナミ自身が責任者を遣るのが筋というモノであろう。


 ここはアリス工房である。最初に完成したのはフェニックス4号あらためコスモ1号のシミュレータである。


 これまでの宇宙船は基本的に宇宙空間という3次元空間を飛び回ることを前提とした設計になっている。宇宙は広くそして立体的に3次元空間として展開している。


 そこを自由に見えるようで実は決められて航路を航行する宇宙船は実にシビアな操縦を要求されている。いっそ本当に自由自在に航行すれば楽であるが、そんなことをすれば点在するデブリや重力圏、他の宇宙船とトラブルを起こしてあっという間に航行不能に陥るのが関の山である。


 つまるところ、安全に航行できる空間はだだっ広い宇宙空間の中にある限られた場所になる。そのために宇宙船パイロットは非常に神経を使う航行を強いられるわけだ。


 さて、コスモ1号乗組員に抜擢されているリリア、ミーシャとカノン、アミル達である。

フェニックス4号の原型マンディ号は宇宙大学学生用練習船として作られたものだ。


 特筆した性能はないが、大切な学生の命を守るために基本性能と安全性はピカ一なのだ。それを改造したコスモ1号にはこれまでとは全く異なるスペーストレインという新たな概念が与えられている。その性能を活かすためにアリスが新しいシミュレータを開発してくれたのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ