#その59 1000年先の未来でも紙とボールペンの書類が残っているとは・・・
#その59
「ああ、よろしく頼むよ、ノバ。」
そういいながらハルトは受付に行きインターワープ管理局の受付の女性に声をかける。
「すみません、惑星{アルメリア}までの通行許可を申請したいのだが・・・」
するとその女性は笑顔で対応する。
「はい、わかりました。お名前をよろしいでしょうか?」
そういわれてハルトはスマホの画面を見せながら自己紹介をする。
「私の名前はアマギ・ハルトと言います。そしてこの画面上にいるのがAIのルミナとノバです。この二人も申請できるのでしょうか。」
「ええAIさんでも大丈夫です、承りますね。それでは、この申請書に記入していただけますか?」
そういって手渡された書類を見ると名前や生年月日、住所などを記入するようだ。
1000年先の未来でも紙とボールペンの書類が残っているとは・・・。
「あの、タブレット入力も受け付けますか?」
紙の書類を見たルミナが画面内から質問する。
「ええ、受け付けてますよ。電子書類のありかはこのQRコードでわかります」
女性はそういうと自分のタブレット画面を見せてくる。ハルトはさっそくコードを読み取る。
「ノバ、ルミナ、君たちで記入してくれないか」
そういわれて二人は快く引き受けてくれる。
「はい、ハルト船長!」
ルミナとノバは書類を読み込んだ瞬間に必要事項を埋めてしまう。そして最後にサインをする欄がある。
「ハルト船長、ここに署名してね!」
ノバが言うのでハルトはそこに自分のサインを画面上でなぞって書き込む。
「できました」
ハルトはそういうと女性に声をかける。
「早いですね」
その女性は書類を確認しながら言う。
「完璧に記入されていますね、ありがとうございます。これで申請完了です。」
「そうか、ありがとう。」
「そちらにいるルミナさんがほとんどの書類を入港前に送っていただいたので、申請を簡略化することができましたよ」
ハルトは受付の女性に会釈する。そして管理局を後にするとルミナに言う。
「ルミナ、ありがとう。ここで一から申請すればこんなに短時間では終わらないんだろう?」