#589 はいーはーいはーい、私がまだ空いてるよー
#589
「うん、よろしく頼むよ、ルミナだから頼めるんだからね」
「ハルトさん、うれしい・・」
ルミナはそういって、ハルトにぎゅっとしがみつく。
「さて、最後に残ったのは・・・」
ハルトは周囲を見渡す。
「はいーはーいはーい、私がまだ空いてるよー」
両手をぶんぶん振って過激なアピールをしているのが、ティアナだ。
「おっと、ティアナ少佐は、旗艦ルミナスがスペースレールを敷設中にトラブルが起きないように周囲を哨戒して欲しい、ティアロイドS、フェニックス1号出撃を命令する」
「ティアナ、イエッサー、了解!」
哨戒任務を嬉々として受け入れるティアナにはいつもいつもやりすぎないように一抹の不安をハルトは感じるが、とっさの際には一番頼りになるのもティアナであることは間違いない。
「では、以上で解散・・・・」
ハルトはミーティングを締めようとしたその時である。
「ちょっと、待ってくれんかのう、わしは何をすればいいんじゃ?」
待ったをかけたのは、エリオット国王(指令長官)だ。
{いっけねー、長官に役割を振るのを忘れてた、というより、長官は最高責任者なんだから、役割はいらないっちゅうーの}
ハルトの脳内をエリオット国王に対する様々な言い訳がよぎるというかほとばしる。
「えへん、エリオット長官の役割は、スペースレール計画総責任者です、ここでは{社長}とお呼びしましょう」
「おおっ、社長か、なんだか異世界っぽい呼び名じゃな?」
エリオット国王は社長がけっこう気にいったらしく、ご機嫌である。
「では社長、最初の仕事ですが、インターワープ3ベータ手前1000の位置に終着駅を設置する同意を明日までに得ておいてくださいね」
「明日までか?それはなかなかに忙しいの?同意というか、国王命令にしてしまえば簡単か、よしわかった、やっておく」
「それと、オツキに始発駅の設置もお願いしますね」
「うむ、それもわかった、なかなか人使いがあらいのう?」
「社長、頼りにしてますよ」
ハルトはエリオット国王をおだて捲っている、本人も気持ちよさそうだからまあいいと思うが。




