#577 ハルトの口が{タスケテ}と動いたように見えたと同時にドアが閉じる
#577
ルミナはそういうとハルトの腕を取る。
「あのー、みなさん?」
ソフィア様やエリオット国王たちは面白そうに事の成り行きを見守っている。そしてミーナミはノバと腕を組む形になりおろおろしている。
「さあ、ダーリン行きましょう!」
ティアナは強引にハルトの腕を引っ張りミーティングルームから出ようとする。
その反対側にはルミナが控えていて、3人がかりでハルトを部屋から連行する。
残されたノバ、リリア、カノン、エリオット国王夫妻、ミーナミ、ミーシャ、アミルそして、ユナにちょこは唖然としたままハルト達3人の動きを目で追う。
そして、ミーティングルームのドアが開き、ハルトの口が{タスケテ}と動いたように見えたと同時にドアが閉じる。そしてミーティングルームには再び静寂が訪れる。
その静寂を破って、ミーナミが声を発する。
「あの・・・」
「なんだ、ミーナミ中尉?」
エリオット国王が急遽司会を務める。
「私の提案はどうすれば・・・いいのでしょうか?」
「ああん?、鍵となるハルト隊長にルミナ艦長、ティアナが勝手に退出した以上、承認されたということじゃないだろうかの?」
#プレゼン成功!
「はあ?」
あれほど緊張してスペースレール計画の提案に赴き、ノバに詰められ、絶対絶命と思っていたのに、いつの間にか、承認?これでいいのだろうか、などとミーナミは考えを巡らす。
「まあ、これで一件落着でいいじゃろ?ミーナミ中尉、ご苦労であったのう」
「はい、ありがとうございます」
エリオット国王に声をかけられて、ミーナミは深々と一礼する。
「それでは、ミーナミ中尉のプレゼンはこれで終了とする。質問がある者は挙手を」
今更挙手して質問する人はいないようだ。
「さて、それでは解散じゃ」
エリオット国王がそう締めくくり、無事に?スペースレール計画の承認ミーティングを終える。ミーティングルームに拍手が湧き起きる。




