#576 そんなに私の愛しい旦那様に詰め寄らないでいただけますかね
#576
「ミーナミ中尉、ちょっといいでしょうか?」
ルミナが手を挙げて質問をする。
「はい、なんですか?ルミナ艦長」
「そのー、私たちの赤ちゃんである次世代SAIがユナちゃんやチョコちゃんの指導を受けて、プラズマレールに組み込む航法ユニットのファームウェアの{ぷろぐらみんぐ}を行うということでいいのでしょうか?」
「はい、その通りです」
「それでですね、なかなか赤ちゃんをを授からない私たちはどうすればいいでしょうか?」
ルミナがいつになく真剣にミーナミとそしてノバに顔を向けて質問する。
「ノバ少佐とすぐにユナを授かったミーナミさんにアドバイスを頂きたいのですがねえ?」
ティアナもここぞとばかりにノバとミーナミに詰め寄る。
ルミナとティアナに迫られたミーナミはさすがに戸惑い、後ずさりする。その様子を見ていたノバがすっとミーナミに寄り添い、そして一緒に並び立つ。
「ルミナ艦長、そしてティアナ少佐、そんなに私の愛しい旦那様に詰め寄らないでいただけますかね」
ノバはさっきまでミーナミに放っていた殺気にも近い雰囲気はどこに追いやったのか、しっかり者の妻の顔になり、ミーナミの盾となってルミナとティアナに対峙する。
「ノバ少佐?」
ルミナが不思議そうにノバに尋ねる。
「ミーナミ中尉は私の夫です、そして私はミーナミ中尉を愛しています」
「それは知っていますが・・・」
「ですから、私の愛するミーナミ中尉を困らせることは私が許しません」
ノバの気迫にルミナとティアナはたじろぐ。その隙にノバはミーナミの腕を取る。
「さあ、あなた、こんな女どもほっといて部屋に帰りましょう」
ノバのまさかの発言にルミナとティアナはきょとんとして言葉が出ない。
「ノバさん・・・」
ミーナミはとまどいながらもまんざらでもない様子だ。そして負けてなるもんかとばかりに今度はティアナが前に出る。
「私もダーリンともっと仲良くすることにする。ルミナ艦長にはぜーったいに、負けない」
ティアナも負けじとハルトの横に立つ。その様子を見たルミナも反対側に立つ。
「ハルトさん、私ももっと頑張ります」




