＃その５７ 嬉しそうにノバがハルトに言う料理はどう見てもラーメンだ
＃その５７
ハルトの足元からぴょんとノバが現れる。
「うわっ、びっくりした！」
「えへへへ・・・」
「ねえねえ、船長さん！これきっと美味しいよ！」
嬉しそうにノバがハルトに言う料理はどう見てもラーメンだ。しかも昔ながらの醤油味っぽい。
「それはさすがに・・・懐かしいけど異世界宇宙まで来てラーメンとは・・・」
そうハルトが言いかけるとノバの顔がちょっと曇る。
「ダメぇ？」
そんな目で見られたら断れない。
「いやいや、ノバ、いいぞ。食べよう！」
「わあい！」
ハルトはノバの嬉しそうな顔を見ながらラーメンをお盆に載せる。他の店を見ていたルミナも戻ってくる。
「ハルト船長、これ美味しそうだよ、どうですか！」
ルミナが指さすそれは甘そうな特大チョコレートパフェだ。
「おい、ルミナ、パフェはデザートなんだから食事の後に食べるんだぞ？」
「うーん、私は今食べてもいいと思います、パフェは別腹っていうし」
RAIのくせになんでそんな言葉を知っているんだ、とハルトは思うが、口には出さないでおく。
ノバもなんだかうれしそうだ。
ハルトはもうこれ以上いろいろ考えないことにする。ハルトはラーメンとパフェをトレイに載せると、空いたテーブルに座る。フォークとスプーンを使ってさっそく食べ始める。箸は見当たらないな。
ハルトがラーメンをずるずるとすする様子をルミナとノバがニコニコしながら見ている。
「ハルト船長、ラーメン、おいしい？」
「うん、まあまあかな。こんなところでラーメン食べることができると思っていなかったからちょっと感激しているよ。」
ハルトがそういうとノバはふーんという感じで話す。
「へえ、ノバはおいしいって感じがイマイチわからないんだよね」
「ハルト船長、いずれは私たちに食事の楽しさがわかるようにしてくださいね」
「ルミナ、ノバ、わかったよ。きっと実現するからな。」
