#563 ノバさんの様子がおかしい原因はだいたい見当が付いているんだな?
#563
ミーシャがノバの様子に驚いてミーナミを問い詰める。
「俺にもわからないよ、いきなりあんな他人行儀な話し方になって」
ミーシャとアミルは顔を見合わせる。
「ねえ、ミーシャ、アミル、ちょっといい?」
ミーナミが2人に声をかける。2人は何だろうという表情でミーナミを見る。
「今回のプレゼンは俺がメインで話すから、2人はサポートに回ってもらえる?」
ミーシャとアミルも、ノバの様子からその方がいいかもしれないと思い、ミーナミの提案を了承する。
「おい、ミーナミ、お前、ノバさんの様子がおかしい原因はだいたい見当が付いているんだな?」
ミーシャがミーナミに聞く。
「うん、まあな、でもスペースレール計画を進めるにはそこはクリアしなきゃいけないとこだからな」
ミーナミの何かを決心した様子にミーシャもアミルも心配になるが、今聞いてもきっとミーナミは話してくれないだろう。
「ミーナミ船長、わかったよ、でもいざってときは潔くあきらめるんだぞ」
きっかり58分後、ミーナミ達3人は迎賓館2階にあるミーティングルームのドアをノックする。どうぞお入りください、とのノバの声で入室する。
3人が入室すると、正面にノバ、向かって右側にハルト隊長、ルミナ艦長、ティアナ中佐が着席している。向かって左側にいるのはきっと、エリオット国王夫妻であろう。そして、その後ろ側にはリリア、カノン、アリス、チョコ、ユナまでもが着席しているではないか。
「え?・・・」
ミーナミ達3人はフェニックス隊勢ぞろいに絶句する。
「ああ、ミーナミ少尉、一次審査の予定だったが、こちらの都合でフェニックス隊全員で聞かせてもらうけど、それでいいかな?」
「はい、もちろん結構です」
「では、ミーナミ少尉、準備をしてくれないか」
ミーナミはハルト隊長に促されて、ミーシャとアミルに手伝わせて発表準備を進める。
ミーナミの挙動を逐一ノバが目で追っているのがわかって緊張感がみなぎってくる。ミーナミは説明用データをメインスクリーンに投影すると、一段高くなっている壇上にミーナミを真ん中にミーシャが右、アミルが左に整列する。
「ハルト隊長、発表準備整いました」




