#558 ミーナミより、フェニックス4号へ、着水まであと10
#558
「ミーナミより了解、シンクロセット完了」
その瞬間、マンディ号のメインモニタはフェニックス4号とシンクロし、コントロールの一部をフェニックス4号に任せ始める。
そして、マンディ号は降下速度を一定に保ったまま、予定着水地点に向けて、姿勢制御を開始する。しばらくすると、前方にフェニックス4号の船影が確認できる。
そして、フェニックス4号はマンディ号と並んで飛行する。ブリッジにはノバらしき姿が肉眼でも確認できる。ノバは大きく手を振っている。ミーナミ、ミーシャ、アミルの3人も大きく手を振って応答する。
「ミーナミより、フェニックス4号へ、着水まであと10」
「ノバより、了解、こちらも着水します」
「アミルより、着水準備完了、いつでもどうぞ」
マンディ号は徐々に高度を下げながら降下を続ける。
「3,2,1・・・着水」
ざっぱーん・・
マンディ号は予定着水地点ぴったりの場所に水しぶきをあげて着水する。少し離れた場所にフェニックス4号も着水している。
フェニックス4号の船首ハッチが開くと、フェニックス3号が発進する。3号はミーナミ、ミーシャ、アミルの3人をピックアップするために小型ボートをけん引している。
「ミーナミさんだけなら3号に一緒に載せてしまうのにね」
ノバはちゃっかり同乗させている娘のユナに話しかける。
ユナは話が分かっているのかいないのかニコニコしながらノバの腰に抱き着いている。
「みなさん、お久しぶりです」
ノバはミーナミをちらっと見てほほ笑む。が、すぐに他の二人にも笑みを向ける。
「マンディ号はここに係留して、後で回収させましょう、みなさんはフェニックス4号でフェニックスベースにご案内します」
「ノバさん、よろしくお願いします」
ミーナミはミーシャとアミルの手前、ノバにデレデレするわけにもいかず、他人行儀に挨拶をする。
「ミーナミさん、ユナも皆さんに会えてうれしいみたいよ」
ノバが娘の頭をなでながら嬉しそうに話す。




