#553 おいおい、愛しの奥様ノバさんに頼むって素直に言えよ
#553
こうしてマンディ号でインターワープ3を通過した功績が認められて、ミーナミ達3人はいきなり博士になってしまう。
学長室を退室した3人はロビーに戻ると、ようやく顔を合わせて声を上げる。
「いやあ、マンディ号を壊したことを怒られると思っていたから、安心したよ」
アミルがミーナミとミーシャに言う。
「おい、ミーナミ船長?、これで奥様の元へ向かえるんじゃないか?」
ミーシャがにやにやしながらミーナミに言う。
「みんなに相談したいことがあるんだ、そこの隅っこでいいかな」
ミーナミが思いつめたような顔をして言うので、浮かれた気分が吹き飛んでしまう。
「わかった、ロビーのコーナーで話そう」
3人は席に着くとミーナミが話し出す。
「あの学長からミッションを頼まれた訳だけど、それはもう実は解決しているよな」
「ああ、航法ユニットデータリンクシステム、KDLSがあれば、航法ユニットはインターワープの外に一つあればオッケーになるもんな」
アミルが返事をする。
「うん、そうなんだよな、ただ、そのリンクシステムをどうするかなんだ」
ミーナミの心配はもっともである。例えば航法ユニットであるノバとリンクするにはその相手方でSAIであるチョコやユナが必須なのだ。
「この間はフェニックス4号と旗艦ルミナス、それにフェニックス1号がうまくリンクできたけど、これを一般宇宙船にもつかえるようにすることはけっこう骨だぜ」
スペースエンジニアを目指すアミルが説明を加える。
「だよな、そこでだ・・・俺は考えがある」
ミーナミが話し出す。ミーシャとアミルは身を乗り出して聞き入る。
「まず、このミッションを俺たちだけでこなすのは当然無理だ。フェニックス隊の協力が必要だ」
「おいおい、愛しの奥様ノバさんに頼むって素直に言えよ」
アミルがそう言う。ミーシャもうなずく。
「いや、それは・・・ノバさんにももちろんお願いするけど、まずはハルト隊長だろ?」
ミーナミは顔を赤くしながら答える。
「よし、じゃあ・・・ノバさんにも協力してもらうとして、まずはハルト隊長にお願いしよう」
ミーナミはそう宣言する。
「でもさ、ただ、協力をお願いするだけじゃ、さすがのフェニックス隊も困るんじゃないかなあ」




