#550 卒業できるかなあ、退学処分じゃないよね?
#550
「ミーナミ船長、俺らはここに行かなきゃいけないらしいよ」
アミルがミーナミに見せる校内マップが示す場所は{学長室}となっている。
「げげげ、学長室なんて行ったことないけどな」
ミーナミは嫌な予感がして思わずつぶやk。
「俺ら、怒られるのかなあ」
とはサーシャ。
「卒業できるかなあ、退学処分じゃないよね?」
苦学生のアミルは本気でびびっている。
「まあ、逃げるわけにはいかないから、とにかく学長室に出頭しよう」
ミーナミはそう言い、ミーシャとアミルを学長室に向かうように促す。
学長室は宇宙大学の校舎の最上階にあり、もちろん一番大きな部屋だ。
「ここだな」
ミーナミがドアをノックする。
「ミーナミがやってまいりました」
「ああ、入ってくれ」
中より返事があるので、失礼します、と言いつつドアを開ける。部屋の中央にあるソファの横には顔にベールを降ろしたドレス姿の妙齢の女性が立っている。
「あら、君たちがマンディ号でインターワープ3を通過できたという学生さん達だね」
「はい、そうです」
サーシャが答える。
「私は学長のルミ・カント、君たちの話はハルト隊長から聞いているよ」
「え、アマギ隊長からですか?」
ミーナミは驚く。
「そう、この宇宙大学もインターワープについては様々な方面から研究に取り組んでいるからね。フェニックス隊と君たちの活躍はとても興味深く拝見させてもらったよ」
「そうなんですね、少しでもお役に立てたのであれば、光栄です」
ミーナミはサーシャとアミルの顔を見ると、2人ともうなずく。3人とも緊張が限界に達しつつあることを察したミーナミが退出の言葉を発声する。
「それでは、学長先生、私たちはこれで失礼します」
ミーナミはそういいつつ一礼する。




