#544 ミーナミさん・・・またすぐ会えるよね
#544
「続けて、サーシャ・アレクス、マンディ号航海長を命ずる」
「はっ」
「同じく、アミル・ブロー、機関長を命ずる」
「はっ」
「3人にチームワークにより、今後の大学生活を有意義なものとなることを希望する。では、これをもって辞令とする」
ハルトとエリオットはそういうと、敬礼する。
ぱち、ぱち、ぱち・・・
周囲から拍手が沸き起こる。
サーシャにはリリアが近づき、抱擁する。アミルにはカノンが同じようになごりを惜しんで抱擁する。
「はあ、あなた達、いつの間にそんなに仲が良くなったのかしらね」
ルミナが目を丸くしている。
リリアとサーシャ、カノンとアミルの抱擁を傍目に見ながらノバも笑みを浮かべる。
「ミーナミさん・・・またすぐ会えるよね」
ユナを抱っこしたノバがミーナミに声をかける。
「うん、きっとすぐにね」
ミーナミはノバへのキスを我慢して、ノバに握手を求める。ノバもミーナミの手を握り返す。
ユナは元気に手を振る。
「じゃあな、みんな元気で」
ハルトがそういうと、3人はブリッジから退出する。そして、マンディ号が格納されている右舷デッキに移動する。
惑星ルクレアに着陸し、だいぶ傷んでしまった船体は、アリスのマイクロマシン達がきれいに補修してくれた。
宇宙大学所属練習船なので、オリジナル以上の性能となる改良は施すわけにはいかなかったが、そこはあのアリスのすることだ。
「ミーナミ船長、これ持ってってくださいな」
搭乗前にアリスから渡されたアタッシュケースがミーナミの手元にある。
「これは?」
「それはですね、マンディ号に搭載した新技術です」




