#535 久しぶりじゃの、スペースレスキュー隊フェニックス出動せよ
#535
「アリスより、神器{空間歪イレーザ}は改良が進んで、小型化したし、何発も発射できないけど、エネルギーもカートリッジにしたから、フェニックス3号で運用できるよー」
「ハルトより、さすがアリスだ、フェニックス隊ものづくり担当だけのことはある」
それを聞いていたティアナが元気に挙手をする。
「はい、はい、今度は私もやるー」
「返事は一度すればわかるよ、ティアナ、ありがとな」
話を聞いていたティアナももちろん首を突っ込んでくる。
神器{空間歪イレーザ}は空間歪を中和する神器だけあって、とてつもない大きなエネルギーを消費するメカである。
イレーザを前回使った時は、フェニックス2号に歪イレーザを搭載し、旗艦ルミナスからエネルギーを供給、カノンとティアナに運用してもらった。
そして火器制御はチョコに任せたのである。元衛星キャノン砲だったカノンであれば、高出力の歪イレーザを運用できるだろうとの判断である。
「では、エリオット司令長官、出動許可をください」
「久しぶりじゃの、スペースレスキュー隊フェニックス出動せよ」
「おーっ」
「はい、ハルト隊長、質問があります」
「おっ、ティアナ、質問を許可する」
「あの、ここはインターワープ内だけど、どうすれば動き回れますかね」
ティアナの言うことはもっともだ。インターワープは航法ユニットがなければ通過できないのだ。
しかも今は、KDLSで4号とルミナスは実験的に1台で運航している最中なのだ。
「はーい、アリスだよ」
「アリス、なんだ?」
「アリスより、そのKDLSを使えば、3号にティアナが乗ってイレーザを使うことができるよ」
「そうなのか」
今回はブラックホールが小型なので、カノンに頼らなくても、エネルギー問題はなんとかなりそうなのだ。残った問題はKDLSだけになる。
「うん、でね、そこにはユナちゃんが必要なんだ」
ユナはブリッジの定位置でうとうとしている。




