#520 お二人がフェニックス4号でいちゃいちゃしている頃、かなあ
#520
「ノバ了解」
こうして、フェニックス号ウインディ号の初任務は無事に終わる。
「ささ、ノバ殿とミーナミ殿、そこに並んでくだされ」
旗艦ルミナスに戻った二人はすぐにミーティングルームに連れていかれる。
そこはすでに二人の結婚式場として準備が整っている。
「えっ、こんな準備いつしていたの?」
ノバが不思議そうに聞く。
「そりゃあ、お二人がフェニックス4号でいちゃいちゃしている頃、かなあ」
ルミナが答える。
「そうそう、結婚式場の準備していたら、ハルト隊長が、指輪がないなあ、なんて言いだしてね」
「じゃあ、指輪を取りに行くミッションなんてどうだ?って言ったとたんにアリスが指輪と箱を作り出すし、まだうろうろしていた女神ソフィア様が指輪に加護を付けるって騒ぎ出すし、できた指輪はティアナがひったくるように持っていっちゃうし・・・あっという間に準備でできちゃったんだよ」
ハルトが説明してくれるが、ミーナミがこれまで育った恵まれた環境ですら、これだけのことをしようとすれば、年単位か、下手をすれば何代もの世代にまたがるほど、準備に時間がかかりそうなのだ。
それをフェニックス隊のみなさんは、苦も無く短時間でやりとげてしまう、その行動力と技術力には驚くばかりである。
自分はフェニックス3号の船長に合格させてくれたが、本当の実力は1%もない気がする。ミーナミはそんなことを考えている。
「ミーナミ船長、あなたはノバと心を通わせて、任務を遂行することができる、それだけでもこのフェニックス隊にはかけがえのない人材なんだよ、自信をもっていいよ」
ミーナミはルミナ艦長に言われてはっと我に返る。
「さあ、ミーナミ船長とノバ中佐、そこに並んで・・・っと」
ハルトが気配を感じた方に体を向ける。そこには、女神ソフィアがまたまた顕現している。
「ハルトさん、せっかくのミーナミさんとノバさんの結婚式、女神がいたほうがよくはないですか」
「いや、ソフィア様、ついこの間も指輪に加護を与えてくれたばかりじゃないですか、そんなにここにいて大丈夫なんですか」
ハルトは女神ソフィアを本当に心配して言う。




