#その52 ノバはワンピースのスカートのすそをちょっとつまんでハルトに軽く頭を下げる
#その52
「わかった、じゃあ自動監視は続けるとして、全員休憩しよう。」
「はい、船長。」
ハルトはそういうと、さすがに疲れたのか、船長席を降りて、船長室に向かう。扉の前によろよろと立つと、扉が開いたので、中にふらっと入る。
「ふうっ。」
ハルトは息を大きく吐いて、ベッドにどさんと倒れ込む。
「さすがに疲れたな。」
慣れない宇宙空間で慣れない戦闘、初めての体験ばかりで疲れて当たり前だ。ハルトは独り言をつぶやくと、うつらうつらと眠り始める。どのくらい眠っただろうか、
「せんちょ、せんちょ。」
という声で目を開ける。
「ハルトせんちょ、起きて!」
その声でハルトはうっすらと目を開ける。
「ノバか?」
「はい、そうです。私が起こしたんだよ、せんちょ」
「お、ノバか、どうした、なにかあったのか。」
ノバは、リアルサイズ3Dビジョンだ。身長は140cm位だろう。
「ねえ、ハルトせんちょ、私、可愛いかな?」
そういわれて改めてノバを見ると、薄いピンク色のワンピースを着ている。
いつもは後ろやサイドでポニーテールにしている茶系ブロンドの髪も今は、ほどいて背中を覆っている。
「ああ、ノバ、どうした。」
「ねえねえハルトせんちょ、せんちょはこういうかっこ好きでしょ」
ノバはワンピースのスカートのすそをちょっとつまんでハルトに軽く頭を下げる。
そしてなにやら曲を口ずさみながらスカートの裾をひらひらさせてその場でくるくる回ってハルトに可愛いアピールをする。
「ああ、ノバ、よく似合っているよ。」
「ありがと。ねえ、ハルトせんちょ、私のこと好き?」
ノバはそう言いながらハルトのベッドの端に腰を下ろす。
「もちろん、好きだよ。」
と少し照れながら答えてしまうが・・・