#516 オッケーオッケー、哨戒継続しまーす
#516
「もっちろーん、ちょっとわざとらしいけど」「ご苦労様、フェニックス1号はそのまま哨戒任務継続してくれるか」
「ティアナより、オッケーオッケー、哨戒継続しまーす」
ティアナはそう連絡すると、またどきゅーんと飛んで行ってしまう。
まったく落ち着きがない奥様だ、一か所にじっとしてられないんだもんな。そんなティアナにはフェニックス1号はほんとうにベストマッチだ。
「ハルトよりミーナミ船長、未確認物体どうなった?」
「ミーナミより、間もなく現場に到着します」
「よし、ノバと協力して未確認物体を探査してくれ」
「ミーナミ了解」
ミーナミはそういうと、ノバに声をかける。
「ノバさん、未確認物体に遭遇した時の対処法は、まず距離5000ほどでパッシブセンサーにより非接触探査、分析、結果検証、危険なければ、2000まで接近、アクティブセンサにより接触探査、分析、結果検証、この時点で応答なければ、さらに接近、データによる接触、音声による接触の順番でいいかなあ」
ミーナミが学生らしく試験に臨む学生のようにファーストコンタクトの手順をとうとうと述べるので、自分が試験監督になったようで、笑みがこぼれてしまう。
「あの、ミーナミ船長、試験じゃないので、臨機応変で大丈夫ですよ」
「そっか、そうですよね」
「でも、せっかく立案してくれたので、まずはその通りにやってみてはどうでしょうか」
「ノバさん、そうさせてください」
ミーナミはそういうと、キャプテンシートに座りなおし、姿勢を正す。
「フェニックス4号、前方の未確認物体に接近、距離5000で停船、パッシブセンサー作動、情報収集開始」
「ノバ了解、プラズマエンジン出力20、微速前進、未確認物体の映像出ます」
ノバがモニタに映してくれる未確認物体は、小さなボックスのようだ。
「ノバより、パッシブセンサー作動、情報収集開始、ボックスより熱反応・・・なし、表面温度ー5、内部温度ー10程度、大きさ縦横高さ100でほぼ立方体、上部に一部切れ目あり、内部へのアクセス可能と推測されます、重力は1k程度、軽量です」
「ノバさんへ、つまりこれは宇宙に浮かぶ箱ってことかなあ」
「ミーナミ船長、そうのようでうす、こちらを攻撃する様子はみられません」




