#511 ミーナミ船長・・さん・・・あの・・・一緒に寝てもいいですか
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そしてノバも、安堵する。
「ミーナミ船長、かっこ良かったです」
「でも、フェニックス4号ってすごいですね、こんなにスムーズに操船できるんだよ」
ミーナミはしみじみという。
「ほんとに、自分もびっくりしました。まさかこんなに簡単に発進できるなんて思いもしませんでした」
ノバもミーナミに相槌を打つ。
「さて、ノバさん、先に少し休んでください、当直は8h交替でいいですかね」
「いえ、ミーナミ船長こそ、休んでください、私は寝なくても大丈夫なので」
ミーナミはノバに休むように言われるが、どこか不満そうな顔をしている。そして、なぜミーナミが不満そうなのか、残念ながら男女の心の機微に疎いノバにはまだわからない。
「じゃあ、少し休ませもらうかな」
ミーナミはそう独り言をつぶやくと一人居住エリアにある寝室に向かう。
「ユナ、おいで」
ノバはユナを抱き寄せると、膝の上に抱っこしたまま、当直任務に入る。フェニックス3号は順調に真っ暗な宇宙空間を進んでいく。
ミーナミは寝室にあるベッドにダイブするように倒れこむ。
「ノバさん、俺が考えている以上に優しくてかっこいいなあ」
ミーナミはベッドの上でつい独り言をつぶやいてしまう。そしてそのまま目をつぶる。
「う~ん、なんか眠れないな・・・」
そんな時、寝室のドアがカチャリと開く音がする。
「・・・ノバさん?」
ミーナミがドアの方に顔を向けると、そこには可愛らしいパジャマに身を包んだノバが立っている。
「ミーナミ船長・・さん・・・あの・・・一緒に寝てもいいですか?」
ノバは恥ずかしそうにもじもじしながら、ミーナミに聞く。
「ちょっと狭いかもだけど・・・ノバさん、どうぞ」
ミーナミはそういいながら、体をベッドの左端に寄せるとノバを手招きする。
「ミーナミさん、ありがとうございます」
ノバは嬉しそうにベッドに入ると、ミーナミにぴたっとくっついてくる。
「ユナがね、{かあちゃ、とうちゃのとこにいっていいよ}って言ってくれて、つい甘えちゃいました」




