#508 呼ばれたので、じゃじゃじゃーんと現れちゃいました
#508
ハルトがそう願いと同時にブリッジは乳白色の光に満ちる。そしてその光の中心から、女神ソフィアが顕現する。
「おおハルトさん、久しぶりですね、呼ばれたので、じゃじゃじゃーんと現れちゃいました。」
「ソフィア様、おいでいただきありがとうございます」
女神ソフィアが気楽に顕現してくれたので、ミーナミは目を白黒させて驚く。
「あの、ソフィア様、初めまして、ミーナミと申す船乗りです」
「ミーナミさん、初めまして、そんな堅ぐるしい挨拶は抜きにしてくださいね」
相変わらず女神ソフィア様はフレンドリーだ、そして、呼べばすぐに顕現する。きっと俺たちの様子を逐一観察というか映画のように楽しんでいるのだろう。
「ソフィア様、早速ですが、宇宙船に二つの命名をしてもよろしいでしょうか」
女神ソフィアは世間話を始めると長いので、ハルトはさっそく本題に入る。
「ハルトさん、いきなりのお願いですかあ、けっこう気が短いですねえ」
ソフィアはハルトに対して非難がましいが、ハルトはそんなことは気にしない。
「で、どうなんです?」
「もう、ハルトさんったら・・・いいわよ、許す、許しますよ、ダメなわけないでしょう」
ハルトのお願いを断ると、肝心な時にソフィアの頼みも聞いてくれないので、女神ソフィアは即答で二つの名前を許可してくれる。
「ありがとうございます」
「それよりハルトさん、ミーナミさんの船の名前なんですが・・・」
女神ソフィアはそういうと、ウエンディ号をじっと見つめる。
「ああ、この船の船名はですね・・・」
ハルトがそう言いかけた時、突然女神ソフィアは両手を大きく広げながら叫ぶ。
「その船は、フェニックス4号!」
そして、女神ソフィアの両手から光が放たれて、ウエンディ号のブリッジ全体を包んでいる。
「ハルトさん、ミーナミ船長、その船のもう一つの名前はフェニックス4号と命名します」
ソフィアがそういうと、光は消えウエンディ号のブリッジは元の状態に戻る。
「えっ、ソフィア様?」
女神ソフィアの突然の登場に驚いたミーナミだが、さらに船の名前まで授けていただいたことに驚く。
そして、思わず両手を合わせて拝んでしまう。そんな様子をみてノバも同じく手を合わせる。




