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#507 チョコ、私がいない間、旗艦ルミナスをお願いね

#507


 KDLSを利用すれば、船団や艦体には船の数だけ航法ユニットを準備する必要はなく、予備を含めても2つあれば十分だろう。


 KDLSはかねてからノバとアリスとチョコが共同で開発していたシステムで、ようやく実用化のめどがついたのだ。


「チョコ、私がいない間、旗艦ルミナスをお願いね」

 ノバはそういうとチョコをひょいと抱き上げて、ほおずりする。


「ノバ殿、任せて欲しいでござる。拙者は元々KDLSのために生まれてきた者、心配はこれっぽちもないでござる」


「そうね、チョコには旗艦ルミナスの航法ユニットの役割お願いね、期待してるよ」

 ルミナ艦長からもそういわれて、チョコ・ショコラは照れくさい。


「ルミナ殿、そんな大げさなことは言わないで欲しいでござるよ」

「あら、チョコは私にとって大切な仲間よ、チョコの役割がはっきりしてとってもうれしいの」


「ルミナ殿にそんなに言ってもらえてうれしいでござる、拙者も全力で頑張るでござる」

「もちろん、ウエンディ号を運用しないときには、ノバチョコでがんばってね」


「ハルト隊長、何から何までありがとうございます。一つご相談があるのですが」

「ミーナミ船長、なんだい?」


「この船の名称ですが、フェニックス隊として運用する時と単独任務の際の名前を変えたいのですが、いかがでしょうか?」


「ああ、もちろんかまわないが、何か心配があるのかい?」

 宇宙船だけではなく、船の名称はとても大切だ。


 あらゆる船には女神様が宿っており、その船の安全を守護してくださっている。なので、女神様に敬意を表して船には命名するのだ。


「同じ船に二つの命名をすることを、女神様から許していただけるといいのですが・・」

 ミーナミは真剣に二つの名前をつけることを心配している。


「じゃあ、女神様に聞いてみるのはどうだい?」

「えっ、そんなことが、できるのでしょうか?」


「まあまあ、やってみようじゃないか」

 ハルトはそういうと、ウエンディ号ブリッジの前方を向いて、深く二度頭を下げて礼をする。そして、今度は3度拍手をする。


「あー、女神ソフィア様、見てると思うので、顕現してお許しいただけると話が早いです」


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