#505 ウエンディ号、さあ、いくよ、ドッキング!
#505
「フェニックス3号からドッキング要請が来ています、許可しますか」
ミーナミがなんのことやら戸惑っている間に、モニターに{はい}と{いぇす}しかないボタンが表示される。ミーナミが恐る恐る{いぇす}ボタンを押す。
「これより、ウエンディ号はフェニックス3号とドッキングします、ドッキング準備開始」
メインAIはそう宣言すると、船体前部を変形し、ドッキングアームを突出する。
「ノバ中佐、ドッキング準備完了、いつでもどうぞ」
「ノバ了解、フェニックス3号、ウエンディ号ドッキングシーケンス開始」
ノバの宣言により、フェニックス3号はエンジン出力をアップし、ウエンディ号の前方に躍り出る。
「フェニックス3号、速度をウエンディ号にシンクロ」
ノバはそういうと、ウエンディ号と相対速度をゼロに保つ。
「ウエンディ号、さあ、いくよ、ドッキング!」
ウエンディ号のアームがフェニックス3号をつかみ、周囲をカバが覆っていく、ドッキング成功だ。ノバはフェニックス3号を降りると、ウエンディ号のブリッジに現れる。
「ミーナミ船長、お待たせしました」
「どう、ノバとドッキングした感想は?」
ノバとアリスに詰め寄られたミーナミはたじたじになりながら、ようやく返事をする。
「とっても・・・良かったです」
「おいおい、そりゃなんの感想だい、ミーナミ船長」
ティアナが遠慮のない突っ込みを入れる。
ノバは、キャプテンシートの前にある航海長シートに着座する。
「ノバよりウエンディ号メインAIさん、航法ユニットは私が担当します、よろしい?」
「ノバさん、初めまして、メインAIはこれよりノバさんの影響下に入ります、よろしくお願いします。」
メインAI はそういうと、モニタを分割して、自分用とノバ用のデータを目まぐるしく表示
を開始する。
「さあ、ミーナミ船長、いつでも航海を始められます」
ノバはそういうと、ミーナミに視線を合わせる。
「さあ、ミーナミ船長にノバ中佐、我々スペースレスキュー隊フェニックスからお二人への結婚記念品は気に入ってもらえたじゃろうか」




