#502 ハルト隊長とミーナミさん、何の内緒話ですか?
#502
「ウェンディ号にはプラズマジェネレータにプラズマエンジン、そしてもちろんハイパードライブを備えていてインターワープの通過が可能な船だ」
「こんな素晴らしい船をこれほど短期間に建造できるなんて、フェニックス隊はすごいです」
「ま、そういうことだな」
ハルトはそういうとミーナミに再び声をかける。
「さて、そして、ウェンディ号の航法ユニットはもちろんノバが働くことを想定して、設計しているから、ノバもやりやすいはずだ」
「ハルト隊長、ありがとう」
いつの間にかノバはミーナミの隣に立ち、ミーナミの腕に自分の腕をからめる。
「えへん、オプションとしてだな、ノバが航法ユニットとして活動する時でもノバは今の格好を保つことができるんだ、すごいだろ?」
ハルトはミーナミに顔を寄せると、耳元で囁くように教えてくれる。
「ハルト隊長、ということは、ノバさんとブリッジに立って操船することができるということですね」
ミーナミはハルトの囁きを素早く理解して、これも小声で返事をする。
「ハルト隊長とミーナミさん、何の内緒話ですか?」
ノバが二人の会話を気にして聞いてくるが、まだ教えなくてもいいだろう。
「さて、ノバ中佐とミーナミ船長、新造ウエンディ号を見に行こうじゃないか」
「ええぜひ、お願いします」
ハルトはノバとミーナミを連れて、右舷デッキに向かう。右舷デッキではアリスがウエンディ号の最後の仕上げに忙しい。
「アリス、今いいか、ノバとミーナミ船長を連れてきたぞ」
ハルトはウエンディ号の右舷デッキにおりて、アリスに合図を送る。
「ノバ姉とミーナミ船長、ようやくアリス特製宇宙船ウエンディ号を紹介できる日がやってきて、アリスはとってもうれしいです」
アリスは完成まじかのウエンディ号を二人に紹介できて泣けてくるほどうれしいらしい。
そう、これまではミーナミの本気を知るために、ウエンディ号のことは絶対に教えないようにハルトにきつく言われていたので、アリスはものづくりの承認欲求が満たされなくて、うずうずしていたのだ。
「アリス中佐、素晴らしい船ウエンディ号建造してくださりありがとうございます」




