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#501 ソウデスネ、無駄な抵抗をしました

#501


「ノバさん、いやノバ様、お願いです、俺と一緒にインターワープ3を通過してください」

  ミーナミはそういうとまた深々と頭を下げる。


「ふふふ・・・まあ、いいわよ」

 ノバはにやりと笑うと了承する。


「ははは、ようやくミーナミさんもノバの前では無力であることがわかったようだな」

 いつの間にかハルト隊長が現れて、ミーナミに声をかける。


「ハルト隊長、一番大切なのは、ノバさん、いえRAIを心の底から信頼して、協力してもらうことが大切なことなのですね」

 ミーナミが思わず大声を上げると、ブリッジにいるみんなの注目が集まる。


「ミーナミさん、気が付くのが遅すぎるよ、インターワープを通過する航路計算は人類が行ったら、100年たってもできないくらい複雑なんだからね」

「そうそう、それを私たちRAI、特にノバは瞬時にやってのけることができるんだからね」


「ソウデスネ、無駄な抵抗をしました」

 ミーナミは我に返って赤面すると下を向く。


「ははは、ここで気が付くだけ、ミーナミ船長は立派だよ」

「ハルト隊長、恐れ入ります、そんなRAIのルミナ艦長とティアナ中佐を妻にされているハルト隊長はすごいと、今なら実感できます」


「そうだろう、そうだろう、さて、じゃあ、ミーナミ船長インターワープ通過プロジェクトを本当に始めようじゃないか」


 ハルトはそういうと、ブリッジのメインモニタにマンディ号の様子を映し出す。モニタには右舷デッキ内部が映し出されており、アリスとマイクロマシンがすごい勢いで動き回っている。そして、マンディ号が2隻に増えているではないか。


「あの、ハルト隊長、アリス姉さん、マンディ号が2隻あるんですけど・・」

 ミーナミがおずおずとハルトとアリスに尋ねる。


「ミーナミ船長、元々マンディ号ではインターワープ3の通過は無理なんだよ」

「えっ、そうなのですか、私は航法ユニットさえあればIW3通過は可能だと聞いておりました」


「まあ、学生さんに夢を持たせるためにそう説明したんだと思うよ」


「そうだったんですか・・・」

 自分の思い上がりに体の奥から恥ずかしくなったミーナミは顔を真っ赤にしている。


「それでな、ノバのお願いでもう一隻マンディ号の同型船ウェンディ号を作ろうとなったわけだ」


「もう一隻作ろうって・・そんな、高価な宇宙船を簡単に・・」

 ミーナミはスケールの大きさに言葉が続かない。


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