#500 航法ユニットバージョンノバと仲良くし、力を借りること
#500
ノバから出された条件は「インターワープ3航行計画」の立案である。
ミーナミはインターワープ3の航行計画はなんとかなると思っているが、謎が多いインターワープ航行計画は重要機密とされていることも多く、ちょっとやそっと立てられるものではないことはまだ知らない。
国家レベルのプロジェクトを立ち上げて数年がかりでも完成しない惑星国家がいくつもあるくらいなのだから。
それ以来、ミーナミは旗艦ルミナスのブリッジの一角を借りて、インターワープ3航行計画を必死に模索する。少し進めてはハルト隊長に見せても、全く相手をしてもらえない日々が続く。
「ミーナミさん、ここの出力はこのくらいではないかしら?」
ノバはミーナミにヒントを出そうとするのだが、ミーナミはその助言を聞くことを拒否している。
「ノバさん、ヒントありがとう、でも俺は自分の計算で航路をはじき出したいんだ、もう少し、試してみてもいいかな」
ミーナミはノバという見渡す限りの宇宙空間の全ての座標を記録している航法ユニットが隣にいるにもかかわらず、自分の力だけで、インターワープ3を通過できる航路をはじきだしたいらしい。
「わかった、じゃあがんばってみてね、でもわからないことはいつでも聞いてくれていいのよ、私たち、夫婦じゃないですか」
ノバはミーナミにそう告げると、そっと隣から離れる。
ミーナミはノバの応援を受けて、さらに航路をはじき出す。そしてついにインターワープ3を通過するための最適解にたどり着く。そこには次のように表示されている。
「航法ユニットバージョンノバと仲良くし、力を借りること」
「やっぱりそうなんだ、ノバさんは航法ユニットとして、宇宙一なんだな」
ミーナミはそう結論ずける。
「ノバさん、お願いがあります」
ミーナミはノバのそばに行くと、深く頭を下げる。
「ミーナミさん、なーに?」
「その、マンディ号の航法ユニットとして、俺と一緒にインターワープ3を通過するのに力を貸して欲しいんだ」
「ミーナミさん、このノバの航法ユニットとしての偉大さが、ようやくわかったようですね」




